英国の自動車メーカー、マクラーレン・オートモーティブ(以下マクラーレン)。Formula1で培ったテクノロジーと知識を注ぎ込んだハイパフォーマンスなスポーツカーをロードカーとして提供する。
「僕の世代では90年代のF1での圧倒的な強さのイメージが色濃いマクラーレン。そんなマクラーレンの570Sですが、いざ乗ってみると誰もが安心して走らせることのできる、乗る人を選ばないクルマだと感じました。それでいてスポーツカーとしての動力性能に優れていることは時速50kmまでの加速ですら感じられ、街乗りでもとても楽しめるクルマでした」
そう語るのは、日本マイクロソフトでマイクロソフトテクノロジーセンター センター長を務める澤 円。プレゼンテーションの技術に優れ、日本人エンジニアとして初めてビル・ゲイツから「Chairman’s Award」を受賞した名物マネージャーだ。そんな澤にとってマクラーレン570Sの第一印象は?
「色、塗装の仕上げも素晴らしいですが、このシェイプがひたすらに美しい。ゆるやかな曲線を描き、フロント部分が短く、後ろに向かって伸びていく。完全に均整の取れたバランスで、後ろにパワーがあることが明確にわかるスタイリング。エンジニアの中には、「これはどんなプロセスでできたのだろうか」という点に興味を持つ人間は一定数います。ボクもその一人で、「この曲線はどんなプロセスで作られたのだろう」と思うだけでワクワクします。トランクルームも兼ねているボンネット部分ひとつ取っても、いくつかの興味ポイントが湧きました。たとえば、この曲線はどのようなテストを経て決定されたのだろうか、ラゲッジスペースを造る際にはどのような懸念点がディスカッションされたんだろうか、指標となる数値データはどのようなソフトウェアにより算出されたのだろうか、などなど、さまざまな興味がわきあがります」
「実用一辺倒でなく、デザインだけにフォーカスされたのでもなく、両方が融合された曲線美が生まれたプロセスに、思いを馳せるばかりです」と、澤は話す。そこにあるのは、澤がプレゼンテーションをするにあたり、対象の本質を徹底的に考え尽くすという、澤自身のメソッドだ。一台の車というプロダクトを目の前にしても、数学的に、科学的に、または組織のモノ作りの進め方や、デザインの意図や製造にあたるまでの過程を事細かに考え尽くし、読み取ろうとする。
そんな澤は、会社への通勤や羽田空港までのドライブ、千葉の実家や河口湖など、試乗期間の間、マクラーレン570Sを乗り倒した。SNSへも積極的に投稿し、多くの反響を得た。
「少し慣れると、まるで高級セダンのような乗り心地にも感じられたことに驚きました。長距離のドライブもまるで苦になりませんでしたね。SNSにもどんどん写真や感想をアップしました。私はFacebookでは3000人以上の方と繋がりがありますが、その多くの方にとってマクラーレンのクルマに乗るという体験は、みなができるものではありませんし、想像してわかるものでもない。特別な体験として、自分とつながっている人と共有したいと思いました」
澤はさらにこう話す。
「ITを生業としている人間の中には、極端なガジェット好きが数多く存在し、ボクも間違いなくその一人です。ボクの場合には、デザインと機能の両面において優れているITガジェットには、とにかく目がありません。従来、クルマはアナログ的なガジェットの代表格と言ってもいい存在でしたが、最新のスポーツカーにおいてITとの融合が極めて高いレベルで進んでいることを体感することができました。自分の持っているスマートフォンとあっさりと繋がり、インターネットの世界と完全につながった状態でドライビングを楽しめました。実際、運転している最中に会社のSkype会議に呼び出された際にも、タッチパネルをタップするだけで車内が高音質のオンライン会議室に変貌しました。もちろん、音楽を聴くにも最高の空間を提供してくれました。スマートフォンに格納されたお気に入りの曲を、素晴らしい音質で楽しみながらクルマを走らせました。この570Sは、最高のスポーツカーであると同時に、究極のITガジェットでもあると思います」
知人にはドローンで撮影してみたいと頼まれ、躍動感ある動画をアップ。また澤自身もGoProを設置しての動画撮影や、RICOHのTHETAによる車内の360°撮影など、あらゆる角度でこの体験を記録した。
「SNSでは、想像よりも反応する人が多かったですね。このクルマがSNS時代にふさわしいフォルムを持っているクルマであることも間違いありません。あちこちで撮影した写真をFacebook やTwitter、Instagramにアップしたところ、その反響は凄まじいものでした。フォトジェニックであることは、それだけで優れたコミュニケーションツールとなり得ることを証明してくれました」
「自分に刺激をくれる人との出会いを増やし、ギブ&テイクとして自分からも刺激を与えていきたい」と語る澤にとって、このマクラーレン570Sに乗るという体験を得ただけでなく、体験をアウトプットすることによるコミュニケーションで、心を大いにドライブさせることができたという。
会社の仕事を積極的にやりながら、それにとらわれないパラレルワークの先駆者を目指すという澤。今後、どのような刺激的な情報を発信していくのか注目していきたい。
澤 円(さわ・まどか)◎立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)入社。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。競合対策専門営業チームマネージャ、ポータル&コラボレーショングループマネージャ、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任し、2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任。2015年2月からはサイバークライムセンター 日本サテライトのセンター長も兼任。近著「マイクロソフト伝説マネジャーの世界№1プレゼン術」(ダイヤモンド社)はamazon「ビジネス企画」カテゴリーで1位を獲得。
マクラーレン570S Coupé◎サーキット走行、街乗りを問わず、ドライバーとパフォーマンスを重視したスーパースポーツカー。カーボンファイバー製シャシーによるボディは重量1380kg。3.8LツインターボチャージャーV8エンジンを搭載。わずか3.2秒で時速100km/hに達し、最高速度は328km/h。組み立ては、マクラーレンのFormula 1のレーシングチームに隣接するマクラーレン・プロダクション・センターで行われる。税込み価格26,175,000円。
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