タラル王子の資産額は11月7日、彼が運営する投資会社キングダムホールディングの株価下落により、8億5500万ドル(約972億円)の減少となった。同社の株式はタラル王子の資産額のほぼ半分をしめているが、11月2日の株価(3日はサウジアラビア市場Tadawulは休場だった)から7日までに21%下落した。タラル王子はキングダムホールディングの株式の95%を保有している。
逮捕前の11月2日時点と比較すると、タラル王子の資産額は280億ドル(約3.1兆円)の減少となっている。フォーブスのリアルタイムビリオネアランキングで、彼の資産額は現在159億ドルと算定されている。タラル王子は2日時点で世界の富豪リストの64位だったが、現在は83位となっている。
現在62歳のタラル王子はサウジアラビア国王のサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズの甥で、皇太子のムハンマド・ビン・サルマーンの従兄弟。タラル王子の逮捕は政府の汚職追放キャンペーンの一貫で、同時に10名以上が逮捕されている。報道によると、この動きの背後には皇太子への権力集中を図る狙いがあるという。
フォーブスは2013年の記事でタラル王子の型破りな生き方をリポートした。彼はキングダムホールディングスを1980年に設立する以前は、米カリフォルニア州のメンロー・カレッジと、ニューヨーク州のシラキュース大学で学んでいた。タラル王子はリフトやツイッター等のテック企業への出資者としても広く知られている。
フォーブスはキングダムホールディングにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。