ザッカーバーグの優れた人格、フェイスブック成功の基盤に

学生と握手をするマーク・ザッカーバーグ(中央)(Photo by David L. Ryan/The Boston Globe via Getty Images)


2. 困難な場面でも矢面に立つこと

ザッカーバーグが、議会の公聴会に同社のコリン・ストレッチ法務顧問を出席させたのは間違いだった。

アンガス・キング上院議員(無所属・メーン州)は、出席したフェイスブック、グーグル、ツイッターの代表に対し「CEOではなく、あなたたちが出席しているのは残念だ」と述べた。これもまた、的を射た指摘だ。

人格の優れたリーダーは、良いことだけでなく悪いことも受け入れる。ザッカーバーグは今後、今回のような重大な局面でもフェイスブックの「顔」となるべきだ。

3. 人格の優れた人物のみ雇用し、昇進させること

この点は、先日の投資家向け電話会議でザッカーバーグが言及した内容には含まれていないが、見逃すことができない重要なポイントだ。

私は、フェイスブックのような会社をコンサルティングする際、常に一つの憂慮すべき事実に気が付く。こうした企業は、会社の価値観を共有する人物のみを雇用し、昇進させることに意識的に取り組んでいないのだ。

私は、企業が表向きに掲げる価値観と、実際に雇用する人材に求める資質を調査しており、その中でこの事実に気づいている。世界の名だたる企業が年次報告書やウェブサイト、価値観に関する発表を通して世間に見せる姿と、職務明細書や採用候補者への質問を通して見える企業の姿の間には、大きな隔たりがあるのだ。

開放性や社会的価値の構築など、フェイスブックが企業として重んじる5つの価値観を公表しているのは素晴らしいことだが、こうした重要な価値観の実現に全力を注ぐ人のみを採用し、昇進させる努力は十分ではない。従業員が、公正さなどの倫理規範を大事にする正直な人材のみにならない限り、会社は業績目標を達成できない。

フェイスブックは私の顧客ではないが、マーク・ザッカーバーグCEOが公的な場で、コミュニティーへの危害を防ぐ重要性を訴えたことはたたえたい。今後の課題は、その実現だ。

ザッカーバーグが、この課題にうまく対処できることを期待している。

編集=遠藤宗生

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