ザッカーバーグの優れた人格、フェイスブック成功の基盤に

学生と握手をするマーク・ザッカーバーグ(中央)(Photo by David L. Ryan/The Boston Globe via Getty Images)

フェイスブックは、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の人格的に優れたリーダーシップにより、世界最高水準の成功を収める公開会社として今後も存在し続けるだろう。

ザッカーバーグは、先週行われた投資家との電話会議で「私たちのコミュニティーを守ることは、利益の最大化よりも重要だ」と語った。ザッカーバーグはこの直前、同社の7~9月期売上高が前年比で47%増加し、初めて100億ドル(約1兆1400億円)を超えたと発表している。ザッカーバーグは、この喜ばしい業績の発表後すぐ、次のように発言した。

「しかし、私たちのサービスが人々をより緊密に結ぶために使われていなかったり、私たちの社会基盤が外国の干渉で損なわれていたりすれば、この業績には何の意味もない。ロシアが不信感の種をまくために私たちのツールを利用したことに、私がどれほど気分を害しているかは既に述べてきた。私たちがこうしたツールを開発してきた目的は、人々をつなげ、より緊密に結ぶこと。ロシアはこのツールを使い、私たちの価値観を損なおうとした」

自分の会社に資金を投入している投資家に向かって、道徳的な理由から財務的損失を被る覚悟ができていることや、その具体的な達成方法を発表することは、ビジネス界では前代未聞だ。

皮肉にも、「他者への危害を防ぐ」という基本的な倫理規範の実現に対するザッカーバーグの熱意は、フェイスブックがこれからも利益を生み続ける理由となるだろう。これは、リーダーの優れた人格が、会社の長期的な成長と繁栄の基盤となることを改めて示している。

だがフェイスブックが優れたモラルを持つ会社だと正当に認識されるようにするには、ザッカーバーグは次の3つの行動を取らなければならない。

1. さらに先手で行動すること

クリス・クーンズ上院議員(民主党・デラウェア州)は先日、ロシアの米大統領選への干渉問題をめぐる議会公聴会で次のように発言した。「フェイスブックはなぜ、私たちに問題の全容解明に向けた支援を申し出るまでに11か月も要したのか?」

クーンズ議員は正しい。ロシア工作員の作成した偽の政治広告を1260万人のユーザーが見る事態に陥ってから、ようやく「私たちは本気で正しい行動を取る」と言うのでは遅すぎる。
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編集=遠藤宗生

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