都市伝説「フェイスブックは会話を盗聴している」の真実度

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フェイスブックアプリの1日当たりの平均利用時間は1時間近くに達し、ユーザーは1週間で数千もの広告を目にすることなる。膨大な広告の中に、会話の内容に一致するものがあっても不思議ではない。

英テレグラフは、フェイスブック陰謀説が広まった原因の一つとして、「バーダー・マインホフ現象」を挙げる。これは、人が話したり経験したことが日常生活の中で頻繁に現れるようになると感じる現象だ。人はその事柄に一層注意を払うようになり、気付く機会が増える。

FBがスマホのマイクを利用する理由

フェイスブックがマイクへのアクセス許可を求める理由を不思議がる人もいるが、その理由は簡単だ。フェイスブックとインスタグラムは、ユーザーがアプリを使って動画撮影をする際に、マイクを使って音を捉える。また、フェイスブックアプリには、近況をアップデートする際に聞いている音楽などを認識する「Shazam」に似た機能が搭載されており、ユーザーがBGMを認識させたいときにマイクが作動する。

フェイスブックによると、この機能は会話を聞くことには使えず、取得した音声データにユーザーのプロフィールをタグ付けすることもしないという。

フェイスブックがマイクにアクセスすることを防止するには、デバイスの「設定」を変更すればよい。iOSであれば、「設定」>「プライバシー」>「マイク」>「フェイスブック」を選択してオフにする。Androidであれば、「設定」>「パーソナル」>「プライバシー」>「アプリ許可」>「マイク」>「フェイスブック」を選択してオフにする。

英大手メディアが陰謀説の発信源

都市伝説を暴く「Snopes」というサイトは昨年、フェイスブックの盗聴疑惑について分析を行った。同サイトによると、英インディペンデントが昨年掲載した記事の中で、サウスフロリダ大学マス・コミュニケーション学科のKelli Burns教授が、「フェイスブックはターゲティング広告のために盗聴を行っているに違いない」と述べているという。

「この根拠の薄い推測をもとにフェイスブックのユーザーたちは疑念を持ち始め、やがて陰謀説が作り上げられた。2年前に” ‘Identify TV and Music”機能がユーザーの会話をこっそり聞き、取得したデータを不正な目的に使用していると噂になったのと似ている」とSnopesの共同創業者兼CEOのDavid Mikkelsonは話す。

Burns教授に話を聞くと、インディペンデントの記事はフェイスブックの陰謀説を支持する内容だが、教授自身は「盗聴が行われていると確信している」などと言った覚えはないと述べている。

編集=上田裕資

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