20代の才媛が挑む、バイオサイエンスの最前線

アリス・チャン バイオテック企業「Verge Genomics」共同創業者

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で医学部博士課程に在籍していたアリス・チャンは、医薬品開発の現場にショックを受けた。治験を開始した90%の医薬品が失敗するのだ。

「まだ多くが『当てずっぽうのゲーム』のような現状」と彼女は言う。

大学在籍中に起業した「Verge Genomics」は、コンピュータサイエンスと最新の遺伝情報解読技術を融合させ、その現場にソリューションを生もうとしている。バイオテックの流れの中でも最先端の試みだ。

特筆すべきなのは、多くの医薬品会社が手に負えずにいたアルツハイマー病やパーキンソン病も果敢にターゲットとしているところだ。

わずか従業員7人の会社は、IAベンチャーズ、ドレーパーアソシエイツなどから400万ドル(約4億5000万円)の資金調達をした。さらにアルツハイマー病研究権威のポール・アイセンやハーバード大学のバイオテックの指導者ジョージ・チャーチらがアドバイザーになっている。

20代の才媛、アリス・チャンの挑戦は続く。


アリス・チャン◎プリンストン大学を卒業、分子生物学で極めて優秀な成績を収めた後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学部博士課程に在籍中、同社を共同創業。CellやNeuronなどの学術誌に4つの共著論文が掲載。Paul & Daisy Soros Fellowship for New Americans(米国に大きく貢献した移民やその子供30人に贈られる賞)を2012年に受賞。

文=フォーブス ジャパン 編集部 写真=ジャメル・トッピン

この記事は 「Forbes JAPAN No.40 2017年11月号(2017/09/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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