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2017.11.06

ネットフリックス快進撃を支える「イッキ見」の力 米調査結果

Daniel Krason / Shutterstock.com


人気が「短命」で終わるデメリットも

ネットフリックスが発表したところによると、最も活発なビンジ・レースが繰り広げられた番組は、シングルマザーと娘の成長と恋愛模様を描いた人気ドラマの約10年ぶりの続編「ギルモア・ガールズ:イヤー・イン・ライフ」。2位には同じく往年の人気ファミリードラマの続編である「フラーハウス」、3位にはアメコミのヒーローたちが集結する「Marvel ザ・ディフェンダーズ」が続いた。これらはいずれもファンベースが確立されている作品である。ファンが配信直後に一気見するのは当然と言え、ヒット映画のファンが続編の公開初週末に映画館に駆けつける行為と近い。

前出の3本のように既存のファンが初動の勢いを後押しする作品はビンジ・レースに適している一方で、人々の話題に上る時期も配信直後に偏るため、長期にわたる視聴者増加はあまり見込めない可能性がある。視聴率などのデータを滅多に公表しないことで有名なネットフリックスだが、初動を重視してビンジ・レースを煽ることは、長期的な視点で見ると必ずしも同社のためにはならないのではないか。

もっともネットフリックスは2018年に約80本ものオリジナル映画を製作・配信すると発表しており、今後は映画事業の拡大が予想される。この動きも同社がビンジ・レースを推進する理由と関係があるのかもしれない。

編集=海田恭子

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