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新設しても、担い手がいない


「でも今の緊急課題は 、施設を作ることよりも、担い手を探すことなんです」と轟氏は話す。

担い手不足を補うために、近年いくつかの改革が行われた。まずは保育士の国家資格の試験が年に1回から2回実施に増えた。全体の合格率も、過去10%内外で推移してきたのが昨年は25.8%に増加。加えて、通常保育時間ではない延長保育(早番と遅番)については、1名保育資格保持者がいれば子育てサポーターの職員があたれることになった。

さらには、これまで認可保育園においては100%(認証保育園においては60%)の保育従事者が、保育資格を有していることが義務付けられていたが、3歳以上では幼稚園教諭の免許、5歳児以上では小学校教諭免許取得者でも保育に当たることが認められたという。

「それでも全く足りない」というのが少なくともポピンズの状況のようである。轟氏はその原因として、1. 自治体ごとに規制緩和の実施状況が異なること、2. 保育士資格を持つ職員比率の義務づけが依然として厳しいこと、3. 他の職業と比較して処遇が低いこと、をあげてくれた。

まず驚いたのが、自治体が規制緩和の実施を阻んでいる事例があるという事実だ。上述のように、国の政策として幼稚園教諭や小学校教諭の免許でも保育資格と同等にみなすという規制緩和が行われたにもかかわらず、自治体レベルでこれを阻むところが少なくないというのである(初等中等教育における、特別教員免許も似たような状況にあるため、想像に難くない)。

文=小林りん

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