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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


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三菱eエボルーション

一方の三菱eエボルーションは、今はまだコンセプトだが、今回のモーターショーでもっともスタイリッシュなSUVだった。ベルトラインが高く、エッジがシャープで、まるでウィル・スミスの主演映画「 i-Robot」のセットから抜け出して来たようだ。

やはり自動運転レベル4を達成し、ドライバーが「何も気にしなくていい」クルージングを提供する。ラリー常勝で高性能なレジェンドカー、ランサー・エボルーションに敬意を表して名付けられたeエボルーション。でも、僕としては正直なところちょっと首を傾げる。そんな名誉あるランサの 「エボリューション」 の名前をそんなに簡単につけていいのか、と。

運転好きが超尊敬し、超憧れた高性能の4WDラリーカーの本来の濃いエッセンスがすべて吸い取られて、なんかクルマのボディしか残らないような感じがする。少なくともファンは困惑するだろう。

たとえれば、5拍子だった巨匠ラロ・シフリン作曲の「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲が、トム・クルーズ主演の映画になったらラップっぽいサウンドで4拍子になっていた。世界の音楽好きなファンはどれほどガッカリしたことか。エボのファンもガッカリするだろう。三菱には自動運転の技術にエボの名前を使うのを考え直して欲しい。

それはともかくとして、日産と違って三菱は、航続距離を発表していない。このクロスオーバーはトリプル・モーターを採用する4輪駆動システムで、1つのモーターが前輪を、他方が後輪を制御する。またランエボで有名になったアクティブ・ヨー・コントロールも採用していくが、今度は電動化バージョンに変わる。ということは、あのランエボのコーナリング性能に迫る可能性を期待していいらしい。

IMxが日産の持つ最新のEV、AIテクノロジーを披露するモデルであるように、三菱もその看板である4WD電子駆動システムのノウハウとAI技術を融和させている。つまり、eエボルーションでは、クルマの中のAIが乗り手を理解し、その情報を常に蓄積していくことで、乗り手は「繋がっている」運転を経験できる。少なくとも、三菱のスタッフはそう話す。

AIは乗る人がどんな運転をするのかしっかりと観察し、音声アクティベーションによってエアコン、ヘッドライト、ワイパーをコントロールして、ドライバーの不手際を警告してくれる。

こういった機能やデザインの一部が将来のSUVで採用されるのだが、読者の多くが聞きたいのは、各メーカーはいかにして航続距離600kmを実現するのか、そして、いつ、どのように自動運転がレベル4に到達するのかということだろう。自動運転は、誰もが予想したよりも遥かに速く進化してきた。

だが、高速道路以外の一般道での自動運転を支えるインフラが整備されるのは、まだまだ遠く先のことだ。

文=ピーター・ライオン

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