世界を動かす女たち 最も影響力のある女性政治家24人

(左から)テリーザ・メイ首相、アンゲラ・メルケル首相、イヴァンカ・トランプ(Gettyimages.com)

フォーブスが毎年発表する「世界で最もパワフルな女性ランキング」では今年、世界規模の同盟を再建・維持に向けた取り組みの最前線に立つ政治家らが上位に入った。

国連加盟国の中で女性が率いる国は10%にも満たないが、今年は女性が世界各地での出来事に多大な影響を与えている。今年のランキング上位3人に選ばれた女性はいずれも、歴史の流れを変えるような決断を下す立場に置かれている。

首位の座に輝いたのは、ドイツのアンゲラ・メルケル首相。激戦となった今年の総選挙を制し、昨年に引き続きトップを飾った。2005年以降首相を務めるメルケルは、欧州連合(EU)を守り抜き、反移民感情を利用して躍進した極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の勢いを止めようとしている。

ドイツでの失業率の低さと国内経済の大きな成長により、メルケルは今も強い権力を保っている。世界銀行によると、2016年のドイツ国内総生産(GDP)は3兆5000億ドル(約400兆円)に達した。これは世界全体で第4位、女性指導者が率いる国としては世界1位の規模だ。

第2位は、初めてランキング入りを果たした英国のテリーザ・メイ首相だ。保守党のメイは、昨年の国民投票で英国のEU離脱(ブレグジット)が僅差で決まり、デービッド・キャメロン前首相が辞任したことを受け、首相に就任。今後は2019年までにブレグジットを実現するため、困難な連立政権をまとめ、国を率いることになる。

昨年2位に選ばれたヒラリー・クリントンは、昨年の米大統領選挙でドナルド・トランプに敗れた結果、今年の総合ランキングでは順位を63落とした。米国は、世界の先進民主主義国家の間で、いまだに女性の指導者を出したことがない数少ない国の一つだ。政治の表舞台から退いたクリントンは、自身が設立した先進的政治団体「Onward Together(共に前へ)」で未来のリーダー育成を進めている。

米トランプ政権からは、大統領の長女で「ファーストドーター」とも称されるイヴァンカ・トランプ大統領補佐官が19位、ニッキー・ヘイリー国連大使が43位に名を連ねた。

世界では、女性が指導者に就任する国が増えている。38位に入ったニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(37)は、世界で最も若い女性指導者だ。有権者の間で「ジャシンダマニア」と呼ばれる熱狂の波を生み出し、首相に選ばれた。78位には、昨年エストニア大統領に選出されたケルスティ・カリユライド(47)がランクイン。カリユライドは、同国でデジタル革命を進めている。

昨年に指導者の座に就いた人物としては、台湾の蔡英文総統もいる。そして英国のエリザベス女王は、2月に即位65周年を迎えた。2000年以降、女性リーダーの数は倍以上に増えたものの、男女平等を達成するにはまだ長い道のりが待っている。
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編集=遠藤宗生

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