世界で最も影響力のある女性、7年連続でメルケル独首相に

(左上)1位 アンゲラ・メルケル、(右上)4位 シェリル・サンドバーグ、(左下)19位 イヴァンカ・トランプ、(右下)3位 メリンダ・ゲイツ

昨年は、女性にとって厳しい年だった。米国では、世界で最も影響力のある職務に女性が選出されるかとも思えたが、周知の通り、ヒラリー・クリントンは大統領選で劇的な敗北を喫し、多くの女性を落胆させた。その結果、フォーブスの「世界で最もパワフルな女性」ランキングで昨年2位だったクリントンは、今年は65位に後退した。

では2017年の世界を動かしている女性は誰なのか? 今年のランキングでは、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が7年連続、累計12回目の首位に輝いた。2位には予想外の新人、英国の欧州連合(EU)離脱交渉を率いるテリーザ・メイ首相が入った。

3位はメリンダ・ゲイツ。夫のビル・ゲイツと共にビル&メリンダ・ゲイツ財団の議長として、さまざまな慈善団体に400億ドル(約4兆6000億円)以上の援助を行い、100か国以上の組織を支援してきた。4位はフェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)、5位はゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)だった。

フォーブスが「世界で最もパワフルな女性」100人をまとめた今年のランキングでは、女性の地位向上の道のりがまだまだ長い一方で、後退ばかりに注目すべきではないことが示された。今年初登場を果たした女性の数は23人と、過去最多を記録。こうした女性らは、近い将来に世界的な偉業を成し遂げる可能性を秘めている。

19位につけたイヴァンカ・トランプ大統領補佐官は、新人の中では2位でのランク入りを果たした。義理の母親であるメラニア・トランプはファーストレディーとしての公務の多くを辞退しておりランキングには入らなかった一方で、イヴァンカはトランプ政権のキープレイヤーとなっている。大統領は娘の助言に常に従うわけではないかもしれないが、それでもイヴァンカは育児・介護休暇の有給化や、科学界での女性の地位向上、女性起業家支援などの政策分野で働きかけを行っている。

今年のランキングでは、100人のうち48人が米国人だった。他の国々からの新人としては、エストニアのケルスティ・カリユライド大統領(78位)や、「ノルウェーのメルケル」と呼ばれるエルナ・ソルベルグ首相(46位)がいる。

中国では、女性が起業分野での革命をけん引。中国政府の報告書によると、同国の新規インターネット事業の55%が女性によって立ち上げられている。たとえば、柳青(ジーン・リウ)総裁(40位)が率いる中国配車アプリ最大手「滴滴出行」は、中国の相乗りサービス市場で米ウーバーを圧倒。ウーバーは滴滴出行の株式10%の取得と引き換えに、中国事業を同社に売却した。

リーダーシップにおいて女性はまだまだ少数派だが、ランキング入りを果たした女性らは確かな変革を起こしており、向こう1年に向けた期待を高めている。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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