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BEST-BACKGROUNDS / shutterstock.com

ノーベル経済学賞受賞者のマーコビッツが提唱した理論は、現代における資産運用の基礎を作ったとされる。だが、その“欠陥”を見つけて改良し、常に市場を上回る成績を挙げている天才親子がいる。


現代ポートフォリオ理論の父、ハリー・マーコビッツほど実社会に影響を与えた学者は少ない。彼が唱えた「エフィシェント・フロンティア」という概念は、投資家がポートフォリオを組むための大半のソフトウェアに活用されている。

だが、その数式はあまりに繊細すぎて、情報が曖昧な実際の市場では、突飛なポートフォリオを推奨することがあった。

これに疑問を持ったのが、資産運用会社ニュー・フロンティア・アドバイザーズの創業者、リチャード・ミショー(75)だ。マーコビッツの数式をそのまま使うと、例えば、ブラジル株が25%、小型株が30%というポートフォリオになったりする。理論的には、お互いに連動しない株式に資産を分散できているからだ。

だが、たいていの投資顧問ならブラジル株や小型株の配分をここまで大きくするのは危険だと考えるだろう。そこで、同じ種類の証券は一定の割合に抑えると上限を定めている。ただ、それではマーコビッツの洗練された理論を使う意味がない。

「誰も大声では言わないけれど、大半の投資運用ソフトウェアは、理論に基づいてポートフォリオを作っていません」

そう話すのはリチャードの息子、ロバート(44)だ。ミショー親子はモンテカルロ法を使用し、乱数による市場の動きのシミュレーションを何千回も重ね、そのなかから最適のポートフォリオを割り出す。

ニュー・フロンティアの手法は理論的に誤っているという批判もあるが、マーコビッツ本人が「ミショーのお株を奪うような方法論を考案できると思ったが、結果は彼の勝ちでした」とその潜在力を認める。

ミショー親子は当初、自社のソフトウェアを投資会社に販売していたが、のちに金融アドバイザリー会社「アセットマーク」と手を組み、資産運用事業にも進出。2004年からずっと、市場のベンチマークに、手数料を差し引いても1%ポイント以上の差をつけている。資産額は30億ドル(約3400億円)に迫る勢いだ。

連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き上げを進めるなか、ニュー・フロンティアのポートフォリオでは米国債券のETF(上場投資信託)の比率が高いままだ。「これが不満で顧客が離れていくかもしれません」とロバートは話す。

「でも、我々のシミュレーションでは、これが最適の比率なのです」


リチャード・ミショー(父)◎警官の父親と工場勤務の母親のもとに生まれ、ボストン大学で数学の博士号を取得。1970年代、資産運用会社に勤務している頃、マーコビッツの理論の問題点について調べ始め、それをまとめて発表した89年の記事が話題に。

ロバート・ミショー(息子)◎12歳で父親のためにプログラミングを始め、2001年にはUCLAの博士課程(金融学)を中退し、父親の会社へ入社。

文=ダニエル・フィッシャー 翻訳=フォーブス ジャパン編集部

 

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