試しに「iTumo」を使ってみる。すると5分もしないうちに“白タク”が到着。とても親切なカンボジア青年が荷物の積み込みを手伝ってくれた。普段は別の仕事をしているそうだが、休日は自家用車と配車アプリで“副業”をしているそうだ。英語も堪能で、カンボジア人の普段の暮らしについてもいろいろと教えてくれた。
普段タクシー運転手をしていない“普通の人々”との交流も、配車アプリならではの楽しみだ。アジア各国の事情に詳しい別の現地在住ビジネスマンからは、こんな声もあった。
「カンボジアのタクシーや白タクは、値段的にも非常にリーズナブルだと思います。しかも、アプリ同士が競合しているのでサービスの質も低くありません。タクシーの数が多い日本や韓国では、業界の利権からか、白タクは犯罪に繋がるみたいな話も根強いですが……僕の知りうる限り、こちらでそのような被害に遭ったという人は聞きませんね」
乗車中にパンクしたトゥクトゥク
カンボジアでは、いままさに社会生活のためのインフラが本格的に整備されていようとしている。言い換えれば、それまで場を占めていた既存のサービスが存在しないため、新しいITサービスが広がるスピードが先進国に比べて圧倒的に早い。前出のビジネスマンが言うように「利権があまりない」というのは、テクノロジーの発展にとって非常に有利な条件となりそうだ。
余談だが、プノンペン空港でWi-fi(おそらく中国製)を借りたところ、1週間5ドル(デポジット50ドル)という破格の安さだった。4G回線で通信速度もとても速い。ちなみに、日本の空港で海外旅行用のWi-fiを同期間借りようとした際の費用は、1万円以上がかかる計算だった。カンボジアのITテクノロジーを視察に行く方々には、ぜひプノンペン空港でWi-fiを借りてみることをおススめしたい。