大混乱のiPhone X予約 守られなかったアップルブランドの約束

(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)


諦めてサムスンのギャラクシーのレビュー記事でも探そうかと思い始めたとき、再度アップルのウェブサイトを読み込むと「Pre-Order Now(今すぐ予約を)」と書かれた念願のボタンが表示された。

言われた通りにボタンを押すと、注文作業完了のためアップルストアのアプリが起動したが、そこでなんとアプリがクラッシュ。もう勘弁してくれ、アップル……。

しかし私は、ここまで来て諦めるほどの半端なファンではない。読み込みを何度も繰り返していると、ついに、iPhone Xの256ギガバイト、スペースグレー色が11月3日に地元のアップルストアで受け取れると表示された。私は歓喜に胸を躍らせた。

私は注文を完了した。少なくとも、完了できたと思っている。注文番号と商品の引き取り時間は示されたものの、送信されるはずだった注文確認のメールはまだ来ていない。

受け取りに行ったとき、果たして私のiPhone Xはあるのか、それとも私はアップルから待ちぼうけを食らうのだろうか? それは当日になるまで分からない。

私がアップルに言いたいのは次のことだけだ。私の苦労を無駄骨に終わらせないように!

ここまで読まれた読者の皆さんは、この記事のどこがビジネスリーダーシップや戦略と関係するのか、と思っているかもしれない。実は大きな関係がある。

こうした予約手続きや予約前の認証手続きを当然のごとく顧客に求めることができる企業は、今のところアップルの他にはない。アップルのブランドとしての約束には、「完璧に機能する」製品やサービスの提供が含まれる。

だが今回は、完璧に機能はしなかった。アップルがしたのは、新型iPhoneの購入手続きを、新車購入手続きよりももどかしさや苦痛が多少少ないものにしたというだけだった。このような状態が続けば、私のような長年の忠実な顧客でさえも考え直さざるを得なくなる。

商品やサービスそのものと同じくらい、その提供方法が重要だということを会社が忘れてしまうと、このような事態を招いてしまう。アマゾンの成功が良い例だ。アップルが、アマゾンの栄光を引き立てる単なる教訓にならないことを祈っている。

編集=遠藤宗生

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