総投資額が、資金調達企業数と共に増加したことは、一部の大規模な取引による盛り上がりではなく、デジタルヘルス部門全体に対する投資家たちの期待度の高さを物語っている。
編集部では、直接的、間接的に患者のニーズを捉え、着実に成長している米国のヘルステック33社を厳選。新たな価値を生み出す企業を3つのカテゴリに分けたこの記事では、実際に臨床や診断など、医療の現場を革新するテクノロジー12選をお届けする。
1. AUGMEDIX|グーグルグラスで医者の業務効率化
Google Glassを活用した医者の業務効率化サービス。遠隔地の作業者が、診察と同時に電子カルテを執筆するなど、医者のタスクをリアルタイムで完了させられる環境を実現する。目指すのは、患者のケアに医者が注力できる医療現場。サービスの導入で、医者の診察や治療以外の業務時間が週で約15時間短縮され、従来より25%以上多くの患者の診察ができるとの試算もある。
創業者:Ian Shakil, Pelu Tran
調達先:Redmile Group, DCM Ventures他
イアン・シャキル◎同社共同創業者兼CEO。スタンフォード大学、デューク大学にて、学士を取得。 ペル・トラン◎同社共同創業者兼CCO。医学博士号取得4カ月前に同社を創設。
2. iRhythm Technologies|小型センサーで心臓の活動をモニタリング
Zio Patchという胸部に貼り付ける小型のセンサーを開発。不整脈などの心臓病の予防に役に立つことが目的だ。一度取り付けると14日間連続でモニタリング可能。2016年にナスダックに上場済み。
創業者:Uday Kumar
調達先:California Health Care Foundation他
3. Flatiron|がん研究者向けのクラウドソフトウェア
がん研究者向けのクラウドソフトウェアを開発。同ソフトウェアには、研究結果の電子データの購読機能、データ分析機能、患者管理機能、会計管理機能などが備わっている。Googleも同社に出資した。
創業者:Zach Weinberg, Nat Turner
調達先:GV, First Round Capital他
4. Foundation Medicine|遺伝子分析によるがん診断サービス
遺伝子分析によるがんの診断サービスを提供する。フラッグシップ・プロダクトのFoundationOneでは、2週間ほどの期間で固形がんの診断を行うことができる。2013年にナスダック上場済み。
創業者:Alexis Borisy
調達先:Bill Gates, Kleiner Perkins Caufield & Byers他
5. Arterys|レントゲンなどの医療画像をクラウドで解析
レントゲンなどの医療画像を深層学習で解析するサービス。画像解析システムはクラウドにあり、ユーザーが用意するのはインターネットとブラウザだけでいい。アメリカ、カナダ、フランスにオフィスを構える。
創業者: Albert Hsiao, Shreyas Vasanawala他
調達先:GE Ventures, Asset Management Ventures他