警備業界にも訪れる「自動化の波」への期待と課題

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進む警備マシンの知能化

一方、海外での事例はどうなっているのか。お隣韓国では、韓国電子通信研究院(ETRI)の情報保護研究本部研究チームが同国警察庁と連携し、交通状況や犯罪をリアルタイムで検出できる「AI搭載型の監視カメラシステム」の開発に乗り出すと報じられた。

同システムには、交通事故を自動検出するための動画ディープラーニング技術、容疑者や用の車両を識別・追跡する認識技術、ビッグデータを使った学習技術、映像セキュリティ侵害防止技術などが採用される予定。韓国の警察庁関係者は、他人に危害を加えようとする脅威行動、もしくは銃やナイフのようなものを自動的に認識し犯罪を抑止できるレベルの技術を求め、2018年から段階的な実用化を目指すとしている。

警備分野においては、AIに必要なデータを収集するハードウェアとして「警備用ロボット」の実用化・普及もすでに海外では始まっている。実用・導入実績で先を行くのは米ナイトスコープではないだろうか。

同社は2013年にパトロールロボット「K5」をリリース以降、さまざまなモデルを発表し続けている。2017年8月には、大型の銃器を検出できるとされる「K1」というモデルも公開した。「K5」にはビデオカメラ、熱画像センサー、レーザ距離計、マイク、独自開発されたナビゲーションシステムなどが搭載されており、周辺の異常な騒音、環境の急激な変化、指名手配者などを認識し、中央のコントロールセンターに情報を知らせる役割を担っている。

監視用カメラにせよ、警備用ロボットにせよ、知能化された「自動警備マシン」が本格的に普及するためには、AIの発展が不可欠になってくるだろう。加えて、それらマシンが分析した情報を人間がどう利用するか、つまり機械と人間の連携をどう想定・構築するかも、警備のさらなる自動化を達成する上でネックになってきそうだ。

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文=河鐘基

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