米アリゾナ州選出のジェフ・フレーク議員は今週、上院議会での演説で、2期目を断念することを発表。トランプ大統領への軽蔑心と、フレークが重視する価値観を守るため立ち上がろうとしない自党・共和党への失望をあらわにした。
フレークの引退演説で注目すべき点は、人々の党派心が極端に強い現代においてリーダーを務めるとはどういうものか、という問題の核心を突いていることだ。そのため、いくつかの重要ポイントに分けて分析する価値がある。
権力者に真実を語ること
「私たちはあまりに長い間、統治への転回、安定と礼儀への回帰はすぐ訪れるのだと、自分たちをごまかし続けてきた。しかし、本当はそうでないことを知っている」とフレークは語った。逆境でこそ自分の信念を守り、自らの主義に忠実になることができなければ、有能な指導者とは言えない。
価値観を体現すること
フレークは、支持者層が離れるかもしれないからという理由で沈黙すれば「自分たちの信念を踏みにじり、義務を放置することになる」と続け、「個人攻撃や、信念・自由・公共機関に対する脅迫」は決して受け入れてはいけないと訴えた。
米国は価値観の国だ。目的意識を掲げて支持者を集めようとする指導者は、価値観は目先の利益よりも重要だと知っている。価値観を見失えば、後に残るのは崩壊の道のみだ。
立ち向かうこと
フレークは「真実をうそだと言い、うそを真実だと言う」ことはできないと主張。「私には、説明しなければいけない子どもと孫がいる。そこで大統領に申し上げたい。私はこれに加担も、沈黙もしない」と語った。
フレークは、今ある難しい課題に立ち向かうには、自身が身を引くべきだと考えた。その課題とは、自分が信用しない人物を強く批判することだ。