アマゾンの新「宅内配達」サービス、懸念すべき2つの問題点

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懸念2:企業側の問題

フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアは、消費者の信頼を得るための基本要件を満たせないでいる。ソーシャルメディア企業ではないアマゾンは、消費者の信頼を失ってはいない──今のところは。

プライバシーと権力の未来という点で、私たちの購買行動を把握するアマゾンは最も影響力を持つ企業と言えるかもしれない。アマゾン・キーのような技術はさらに、住宅建築法の変化につながる可能性もある。

アマゾン・キーは、消費者向けに次々と投入されている「ニューノーマル(新たな標準)」サービスのうちの一つにすぎない。ウォルマートは最近、似たようなシステムで食料品を利用者の冷蔵庫へと届けるサービスを開始した。

自宅向けサービス分野では今、熾烈な競争が勃発しており、グーグル、ウォルマート、アマゾン、そしてフェイスブックまでが、自宅内のあらゆるニーズを満たすサービスを提供するための機器を投入している。

もしアマゾン・キー(そしてスマートロック一般)が普及し、これが標準的な宅配サービスになったら? アマゾンなどの企業がしているのは、信頼の積み重ねではなく、信頼の押し売りだ。もしこの種のサービスで手違いが起きれば、大惨事につながる。どうなるかは様子を見るしかないが、スムーズな宅配を実現できる企業には莫大な利益が待っている。

翻訳・編集=遠藤宗生

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