「私は失読症なので、あらゆることをシンプルにする。物事は複雑化しない」とブランソン。「ヴァージンのビジネスでは常に、『リチャード・テスト』に合格しなければならない。つまり、私に理解できないことは一般大衆も理解できないということだ」
ブランソンは最近、失読症に悩んだ幼年期について、よりオープンに話すようになった。彼は今、自身の失読症を、ヴァージンの重要メッセージ発信方法を形作った天からの贈り物として捉えている。
ブランソンが16歳で学校を退学したとき、失読症はハンディキャップと思われていた。しかしブランソンは反対に、失読症は「潜在能力の証として認識されるべきだ」と、今年の英誌サンデー・タイムズのインタビューで語っている。
「物事を簡略化できるため、失読症は人生で役立つ事が多い」。失読症により、創造的に考え、複雑なことを簡略化できるようになるため、「大きな強み」を得られたのだという。
ブランソンは、失読症がない人でも自身のアドバイスを生かすことはできると語る。意欲的な起業家やビジネスリーダーに向けた彼からのヒントはこうだ。「ビールのコースターに書き込めないようなアイデアは、複雑すぎて興味が持てない」
これまで2万5000件ほどの提案を聞かされてきたというブランソンの助言には、従った方がよいだろう。