マイクロソフトからMacへの挑戦状、Surface新モデルの巨大な使命

Surface Book(courtesy of Microsoft)

マイクロソフトは10月17日、新製品「Surface Book 2」を発表した。これは、同社にとって初代「Surface Book」、「Surface Book パフォーマンス ベース搭載モデル」に続く第3世代のハイエンドラップトップだ。これまでのSurfaceシリーズ同様、Surface Book 2もアップルの「MacBook Pro」ユーザーをターゲットとしていることは明らかだ。

Surface Book 2で特筆すべき点は2つある。1つは、新たに15インチモデルが追加されたことだ。このモデルの主な仕様は、ストレージ容量が最大1TB、16GB RAM、インテルの第8世代Core i7 プロセッサとエヌビディアのGTX 1060 GPUを搭載と、まさにモンスター級の性能を誇る。MacBook Proのストレージが最大2TBであることを除けば、全てのスペックにおいてSurface Book 2が上回る。

2点目は、マイクロソフトの公式サイト上でSurface Book 2を紹介するページのデザインだ。一見平凡にも見えるが、幅広いグラフィックや宣伝動画、「The most powerful Surface ever(かつてなかったパワー)」というキャッチフレーズは、アップルの製品紹介を彷彿とさせる。

マイクロソフトは明らかにアップルと同じ顧客層をターゲットにしているが、それは正しい戦略だ。90年代のMacは影響力のあるデザイナーや開発者、最先端テクノロジーを求めるギーク層から熱狂的に支持され、市場シェアは小さいながら多大な影響力を誇った。マイクロソフトはMacのユーザー層をターゲットに初代Surface BookやSurface Studioを開発しており、Surface Book 2でもこの戦略を踏襲している。

マイクロソフトには、MacBook Proにない大きな強みがある。それは、マイクロソフトがWindows 10OSによるデバイス連携やクラウドサービスの拡大を推進しており、Surface Book 2(及び他のSurfaceシリーズ製品)はその戦略に基づいて開発されていることだ。Windows 10 Mobileが事実上終了した今、Surface Book 2はマイクロソフトのテクノロジーを全面的に押し出す役割を担っている。

これに対し、アップルはスマートフォンをテクノロジー開発の中核に据えている。macOSの機能の大半はiOSに連動しており、PCはiPhoneの補助的な役割を担うものとして位置付けられている。アップルにとってMacBook Proを含めたMacシリーズは、ハード・ソフトの両面において「2番目に重要なもの」に過ぎないのだ。

マイクロソフトは、Surface Book 2をフラッグシップ機として位置づけ、同社の最新ソフトウェアや先端テクノロジーを搭載している。熱狂的なファンを獲得し、長いスパンでの発展につなげることが、今回のSurface Book 2の発表から見えるマイクロソフトの戦略だと言える。

編集=上田裕資

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