最終選考での不採用が良いことと言える理由

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私は最近、就業中の友人から、転職活動についての不満を耳にした。求職者によくある不満といえば、応募書類を送ったのに音沙汰がないことや、優秀な人材を安い給料で採用しようとする会社についてだが、彼女の問題は少し違っていた。

彼女は非常に経験豊富で、履歴書とカバーレターも素晴らしい内容であるため、求人広告で興味を引かれた仕事に応募すれば大抵48時間以内に採用責任者から連絡が来る。初期選考を難なく通過し、初回の面接も問題なくこなす。しかし、前職の上司からの推薦状を確認し、採用を決定する前の最終ステップで、会社は決まって他の候補者を選んでしまう。

彼女はこうした採用プロセスに感情やエネルギー、時間を奪われてきたものの、他の候補者の大半と比べて良い状態にある。実は、最終段階での不採用は、大局的に見れば良い兆候なのだ。

一見すると、選考初期で不採用となった方がすぐに次に移れるので良いように思えるかもしれないが、不採用までの面接プロセスが長く続けば続くほど良い。唯一の例外は、企業が推薦者に電話した後に不採用となる場合で、これは良くない。

採用プロセスを確認しよう。求人に応募後、採用責任者またはリクルーターから連絡が来る。つまり、書類審査(履歴書、カバーレター、作品集など)は合格ということだ。素晴らしい。自分は書類上では強い候補者であると自信を持って良い。

最初の電話面接または面接を通過し、いよいよチームリーダーが出席する面接に臨む。いい調子だ。あなたの経験が信頼されており、給与面で的外れな要求をしているわけではなく、身だしなみや言葉遣いにも問題がないことの印だ。

あなたは、より網羅的な面接を場合によっては複数回受けた後、不採用の電話またはメールを受け取る。選考過程をここまで進み、時間やエネルギー、交通費、クリーニング代を投じてきたあなたは、挫折感を味わう。

だが、あなたは最後の最後にしくじったわけではなく、単にその会社やチームと波長が合わなかっただけだ。何らかの錬金術的な理由、つまり、エゴ、性格、歴史、チームの過去と現在の原動力、他の候補者が発していたフェロモン、チームメンバーのキャリア計画などのために、あなたと会社はうまく融合しなかったのだ。この時点で、応募する求人の種類を見直し、自分の気づいたパターンに基づいた調整を行う必要がる。
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編集=遠藤宗生

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