ユーチューバー、俳優、そして起業家でもあるジェイク・ポールは、デジタル社会が生んだZ世代のスターだ。オハイオ州クリーブランドの実家で兄のローガンとともに動画制作を始めたのは10代前半の頃。兄弟はアメリカンフットボールの練習用に買ってもらったビデオカメラで自分たちのふざけた姿を撮影し、ユーチューブチャンネル「Zoosh」に投稿するようになった。
「単なる趣味でした。自分たちが何をしているのかよくわからないまま、2年間動画を撮り続けていたら、自然とストーリーテリングの手法が身に付いていました」とジェイクは言う。先日、ジェイクはボストンで開催された第4回フォーブス「アンダー30サミット」に登壇し、会場を埋め尽くしたミレニアル世代の若者たちに向かって自身のキャリアを語った。
ジェイクの動画が最初に大きな注目を浴びたのは、今はなき6秒動画SNS「Vine」においてだった。「どちらがより格好いい動画を作れるか、兄と競い合っていた」と、ジェイクは振り返る。ある投稿がバイラル化し、たちまち兄弟には5000人のフォロワーがついた。2017年現在の感覚ではそれほど大きな数字ではないかもしれないが、当時の高校生にとっては大事件だった。
「感動しました。最高の気分でした。大勢の人に注目される動画のコツがわかった僕たちは、その方法を試し続け、視聴者を増やすためのよりクリエイティブな方法を見出していったのです」
体を張ったナンセンス動画の数々でSNS界の人気者となった兄弟は、やがてロサンゼルスに移住。ジェイクはインターネット広告で生活費を稼ぎながら、演技のレッスンに通い、フォックスのインターネット配信映画「Mono」やYouTube Redの映画「Dance Camp」などに出演するようになる。2016年、ディズニーチャンネルのコメディドラマ「やりすぎ配信!ビザードバーク」のダーク役に抜擢されると、ジェイクの知名度はさらに高まった。
ジェイクはカメラの前でふざけているだけでは満足できず、チーム作りに注力し始めた。参考にしたのは、エミネムやスヌープ・ドッグらを世に出したラッパーでプロデューサーのドクター・ドレーのビジネスモデルだ。ドクター・ドレーはフォーブスのヒップホップ長者番付第3位に入る実業家でもある。