総投資額が、資金調達企業数と共に増加したことは、一部の大規模な取引による盛り上がりではなく、デジタルヘルス部門全体に対する投資家たちの期待度の高さを物語っている。編集部では、直接的、間接的に患者のニーズを捉え、着実に成長している米国のヘルステック33社を厳選。技術などの融合により新たな価値を生み出す企業を3つのカテゴリに分けた。
この記事では、遠隔医療や医療保険など、患者を医者や病院とつなぐ12の最新テクノロジーをお届けする。
1. CrowdMed|専門コミュニティと連動 医療診断版クラウドソーシング
患者がオンライン上で匿名記入した病歴や病状に対して、専門のコミュニティが、最善の解決策を提供するクラウドソーシング・プラットフォーム。オンライン上で様々な医師の多種多様な意見を一度に得る場所を目指す。
強みは、患者の症例への知見を持つ専門家たちから診断と解決策を集めた上で、適切なフィルタリングを行える特許取得済みの市場予想技術。医師の集団的知識とインターネットの利便性を掛け合わせることを狙う。
創業者 : Jared Heyman, Leonardo Setyanto
調達先 : Mindset Ventures, Andreessen Horowitz他
ジャレッド・ヘイマン◎同社の創業者兼CEO。Infosurvの創設者兼CEO、会長等を経て2012年より現職。
2. Doctor On Demand|緊急時にも使える遠隔医療モバイルアプリ
必要なときにスマートフォンやタブレットで医師や専門家のビデオ相談を受けることができるアプリ。24時間利用することが可能なので、急な発病などにも対応できる。登録ユーザーは100万人以上。
創業者 : Jay McGraw, Adam Jackson, Phil McGraw
調達先 : GV, Andreessen Horowitz, Qualcomm Ventures他
3. Collective Health|クラウドベースの新しい医療保険
企業が従業員に提供する医療保険を提供する企業。中間コストを省くことにより低コスト化を実現した。従業員は、自分に必要な保障をだけを選ぶことができる。eBayやRed Bullなどが利用している。
創業者 : Rajaie Batniji, Ali Diab
調達先 : Founders Fund, GV, New Enterprise Associates他
4. Forward|最新技術を取り入れたハイテク診療所
12分で完了する血液検査など、最先端のテクノロジーを詰め込んだ診療所。創業者はグーグル出身で、エリック・シュミットやマーク・ベニオフなど著名経営者がエンジェル投資家として出資している。
創業者 : Adrian Aoun
調達先 : Marc Benioff, Eric Schmidt, CrunchFund他
5. Welkin Health|患者とのリレーションシップマネジメント
医療機関向けのCRMシステムを提供する。タスクの管理機能、患者への連絡機能などを備えている。すでにシステムに存在するEHRなどのツールと統合して、データをさらに取り込むことも可能だ。
創業者 : Chase Hensel
調達先 : Great Oaks Ventures Capital他