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2017.10.22

人気音楽アプリを「テレビ番組」に、米メディア業界の新潮流

Daniel Boczarski / gettyimages

ストリーミング業界が成長を続ける一方で、テレビ業界は視聴者離れに苦しんでいる。この状況を受け、米国のテレビ業界ではストリーミングやアプリ分野で認知度の高いブランドを、番組に起用する動きが起きている。

登録会員数ベースでスポティファイに次いで2位のストリーミングサービス「iHeartRadio」は先日、Foxと共同で新たなテレビ番組を始動すると発表した。「The Four: Battle For Stardom」と題されたこの番組は、音楽をテーマとしたリアリティショーで、音楽業界の新たな才能を発掘する内容。iHeartRadioが本格的にテレビと関わるのは今回が初となる。

オーディション番組「アメリカン・アイドル」を成功させた実績を持つFoxは、iHeartRadioの巨大なユーザー人口を用いてその成功を再現させたい意向のようだ。

同様な動きとしては昨年、楽曲認識アプリの「Shazam」がFoxと手を組んだ番組「Beat Shazam」を始動。これは視聴者が楽曲当てクイズを行う番組で、その正確さをアプリと競う内容。既にセカンドシーズンのオンエアも始まっており、今後は海外での配信も計画中という。

同様な取り組みはNBCも行っており、「The Stream」という番組を立ち上げようとしている。これは無名のアーティストらが楽曲を専用サイトにアップロードし、オンラインでの再生回数が高いアーティストにオーディションの機会を与えるものだ。

スポティファイは今のところテレビとの取り組みは行っていないが、同様な番組が企画されるのも時間の問題かもしれない。米国人が音楽アプリに消費する時間は年を追うごとに伸びており、対照的にテレビの地位は下がっている。テレビ局が認知度の高いアプリを番組の目玉として起用するのは、自然な流れと言えそうだ。

編集=上田裕資

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