1350億ドルという金額には、動画の制作やホスティング、ディストリビューションや分析にかかるコストも含まれている。一方で、デジタル広告への出稿費は今年830億ドル、テレビ広告への出稿費は710億ドルに達すると予測され、この2つの合計は1540億ドル(約17兆円)となっている。
Magistoはカリフォルニア州本拠の企業で、ウェブベースの動画編集ツール等を提供している。今回の調査は全米の545名のマーケティング担当者らに匿名で実施された。「このデータは動画の制作から流通まで、動画のエコシステム全体の規模を示している。米国企業のデジタルビデオへの支出額は、デジタル広告とテレビ出稿費の合計に迫る規模になりつつある」と同社は述べている。
オンライン動画需要の高まりは、フェイスブックやユーチューブ、インスタグラム、Musical.ly、ツイッターやスナップチャット等の大手がビデオを前面に打ち出し始めたことと同期している。ユーザーの側も動画から情報を受取ることに親和性を高めている。
スマートフォン上ではSNS経由で多様な情報があふれる中で、ビデオはユーザーの感情にダイレクトに訴え、ブランドの認知を高める手段として活用されている。
ビデオ広告に最も重要な場としてはユーチューブがあげられ、フェイスブックがそれに続く。また、モバイル経由の動画視聴が全体の80%から90%を占めつつあるとMagistoは述べている。今後はライブビデオやVR動画も伸びが期待される。
「動画を掲載するプラットフォームはテレビに置き換わる存在になりつつある」と、全米最大のインターネット動画の祭典、VidConを運営するJim Louderbackも述べている。