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2017.10.21 11:30

中国をコピーするアメリカ、自転車シェアに見る「逆転」の構図

(Photo by Spencer Platt/Getty Images)

中国の自転車シェアリング企業、「Mobike」の企業価値は30億ドル(約3400億円)。競合の「Ofo」の企業価値は10億ドル(約1100億円)に達している。世界進出を開始したこの2社を迎え撃つかたちで米カリフォルニア州本拠の自転車シェア企業「LimeBike」も事業拡大を図り、先日は企業価値2億2500万ドルで、5000万ドルを調達した。

この動きから浮かび上がるのは、中国のスタートアップ企業が世界にもたらす新たな流れだ。ここではそのポイントをあげてみた。

1. 中国のスタートアップはグローバル化を急速に進めている。MobikeとOfoの2社は売上の大半を母国の中国で生み出しながら、ヨーロッパやアジア、さらに米国への進出を開始した。これまでの中国企業に比べると、非常に早い段階でグローバル進出を始めている。

2. この2社にはテンセントやアリババが巨大な資金を注いでいる。中国のネット大手の巨大な資本力が、グローバル化をさらに強力に推進している。

3. 米国のLimeBikeは、中国のMobikeとOfoと全く同じビジネスモデルをアメリカで再現しようとしている。10年前は西洋をコピーする側だった中国が、完全に逆のポジションになっている。

4. 中国で成功した企業は、全く同一のビジネスモデルを海外諸国にも適用できることが証明されつつある。

5. Mobikeを支援するのはテンセントでofoを支援するのはアリババだ。この2社の対立は、かつて配車サービス分野でテンセントが支援する「滴滴打車」とアリババが支援する「快的打車」がバトルを繰り広げ、最終的に2社が合併し「滴滴出行(Didi Chuxing)」が生まれた経緯を思い起こさせる。

6. 中国の配車サービス大手2社の合併は、結果的にウーバーの中国事業撤退をもたらした。これと同様なダメージが今後、西側の企業や投資家にもたらされる可能性もある。

編集=上田裕資

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