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ドクター本荘の「垣根を超える力」


金融だけでなくIoTに大きなポテンシャル 

「これはスゴく面白い! 世界を変えるポテンシャルに満ちている!」

2016年、IoTにブロックチェーンを応用する米国スタートアップのプレゼン直後に隣のメンターが興奮しながら筆者に話しかけてきた。IoTでは膨大な数のデバイスが対象となり中央管理は困難になる。そこでブロックチェーンの出番だ。

日本でも、ブロックチェーンのIoT活用に取り組むNayutaが、この夏に国内VCから初の資金調達をした。10月初旬にNayutaの栗元憲一社長と筆者が登壇したイベント「Startup Go! Go! 2017」での対談でも、お金にとどまらないブロックチェーンのポテンシャルで話の花が咲いた。



栗元氏は、東北の震災後に新たな地震計の普及に取り組んだが、ビジネスモデルで行き詰った。ふとみると、ビットコインはひとりでに世界に広まっている。なぜだと調べると、これはIoTに向いていると気づき、やがて起業。いまはブロックチェーンに加える第二層により問題点を解決し、応用分野を広げようと取り組んでいる。

彼曰く、ブロックチェーンは、金融だけでなくIoTなど次世代のネットワークにおいて「標準になる最も有力な技術」なのだ。 

会社そのものにもとってかわる? 

経済産業省によると、この表のように、ブロックチェーンはお金だけでなく応用範囲は広い。IoTはもちろん、商流、コンテンツなど幅広い。

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経済産業省「ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査」資料より

デジタルコンテンツなど著作物もブロックチェーンで管理でき、権利を守ることができる。ダイヤモンドは指紋のようにカットの具合で一つ一つが判別できるが、これをブロックチェーンで管理すれば、盗品もすぐ分かる。このようにデジタル以外のものも、ブロックチェーンの恩恵にあずかれる。

医療では、エストニア政府が取り組み、イギリスで実証実験がされている。個人の病歴は改ざんされてはいけないが、救急でスグ欲しい情報だ。パブリック・ブロックチェーンが構築できれば、セキュアにしてオープンなところに情報が置ける。 

大手の電力会社を中心とした中央集権型のネットワークで電力は管理されているが、ソーラー発電など分散したものが広がる。イベントの対談で電力会社の方からの質問もあったが、発電側と使用側が自在につながるにはブロックチェーンが好都合だ。

ある大手商社の幹部は「ビジネスの大部分を持っていかれるんじゃないか真剣に心配しています」と語る。商社のビジネスにはブロックチェーン型にならない事業が多いので、これは心配しすぎだが、もちろん安心してはいられない。

最近では、「〇〇の条件では△△する」という契約のような複雑なものをブロックチェーンに載せることができる「スマートコントラクト」も開発されている。こうなるとブロックチェーンは会社の代わりになるのではという声があるくらいだ。長い目で見れば抱え込み型のビジネスモデルは減り、オープンなものが増えるだろう。

ブロックチェーンはビジネスプロセスを一新する。組織のあり方や仕事の仕方が変わる。「ブロックチェーン関係者の集まりでよく言われるのは、インターネット黎明期に似ているということ」と栗元氏が言うように、産業規模は大きくなるだろうが、大きなビジネスにするにはどうすればいいか具体的なビジネスモデルはまだ分かっていない。

まだブロックチェーンは発展途上で、研究開発の段階だ。それには、技術が分かった専門家とビジネスや各分野の課題を分かっている人とが組む必要がある。画期的な技術であることは間違いないが、よく切れるハサミも使う側次第。日本に来たチャンスが活かせるうちに手を打ちたいものだ。

文=本荘修二

 

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