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米国の26歳は、同国の小売業界がぜひともその関心を引きたい年齢の人たちだという。約480万人いるこの年齢の消費者は、人口に占める割合が最多となったミレニアル世代の中でも、最も数が多いからだ。

ベビーブーム世代(1946~64年生まれ)の人口は、約7400万人。一方のミレニアル世代(1980~2000年生まれ)は、約9300万人に上っている。どのブランドの将来にとっても、ミレニアル世代は非常に重要な存在だ。

米ウォールストリートジャーナルが先ごろ報じたところによれば、ミレニアル世代が50歳を迎えるころまで、消費者としてのその重要性は高まるばかりだという。調査会社の米ハリー・デントによると、世帯の支出がピークを迎えるのは50歳前後。つまり、この世代は2040年ごろまで、米経済の成長を後押しする主要な消費者セグメントであり続ける。

注目すべき26歳の「HENRY」

どの年齢層でも、高所得層の消費支出は中間層の2~3倍に上る。小売業者は現在の26歳人口の年齢だけではなく、その人たちが今後、どれだけの金額を消費に充てることになるのかに焦点を当てる必要がある。

小売業者が特に焦点を絞り込むべきといえるのが、「HENRY」と呼ばれるグループに入る26歳の人たちだ。HENRYは、「High-Earners-Not-Rich-Yet(まだ富裕層には入らない高収入の人)」を指す。約480万人いる26歳人口の中では、所得分布の上位20~25%に含まれる人たちだ。

個人向けの金融情報を提供するサイト、DQYDJによると、26歳人口の平均収入は、約3万2500ドル(約364万円)。最も高収入のグループは、年間5万ドル以上を稼いでいる。5万5000ドル以上の収入がある人は同年齢の人のうち20%、7万5000ドル以上稼ぐ人は、同10%だ。

26歳という若さでそれだけの高収入を得ているHENRYたちは、その後も同年齢の他の人たちより多額の収入を得る可能性が高い。また、収入が多いだけでなく、より高度な教育を受けており、より多くの情報を得ている。同年齢の人たちの間でもリーダーシップを取る立場にある場合が多いと考えられ、トレンドを決めていく人たちでもあると見られる。

HENRYの特徴

高度な教育を受けた人は、企業経営やテクノロジー、金融、エンジニアリング、ヘルスケアなど高収入を得られる分野に進むことが多い。さらに、HENRYは結婚し、長期的な見通しを持ち、資産運用や財産形成の計画も立てながら、ほぼ伝統的なライフスタイルを維持していく人が多いと考えられる。26歳またはそれを少し上回る年齢のうちに、持ち家を購入する人も多いとされる。

将来の行動は、過去の行動の傾向から予測することができる。マーケティング戦略を立案する人たちが、若い消費者たちと自社ブランドとのつながりを「習慣化」させたいのはそのためだ。アマゾンプライム(アマゾンの会員向けサービス)やコストコ(会員制大型スーパー)、ブルーエプロン(食材宅配サービス)、ダラーシェイブクラブ(カミソリと替刃の定期購入サービス)など数多くの新興企業が、そうした戦略を取り入れている。

これは、言い換えれば「慣性」の力を借りた戦略だ。今年のノーベル経済学賞を受賞した行動経済学者のリチャード・セイラーが唱える「ナッジ理論」にあるように、オプトインした(選んだ)ものは、そのままオプトインされる可能性が高い。ミレニアム世代の若者たちのライフスタイルの一部になることができたブランドは、生涯にわたって支持されるブランドになり得る。

ミレニアル世代の中でも人口の多い26歳のHENRYたちは、同年齢の残る80%近くの人たちを中心に、その他の消費者を先導していくことになるだろう。

編集=木内涼子

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