過去に買収した「Nervana」が開発を主導
インテルのNNPは、新たに設計したチップを数種類組み合わせ、同等な並列処理を可能にしているという。インテルのRaoは2014年にAIスタートアップの「Nervana」を設立し、今回のNNPの開発を行ってきた。Nervanaは昨年、インテルに4億ドル(約448億円)で買収された。NNPは当初、インテル社外で開発が始まったチップであり、最初のプロダクトは台湾のTSMCが製造する。インテルは第2世代のチップ製造を社内で引き継ぎ、より大規模な生産体制を目指しているという。
インテルはデータセンター向けCPU市場では99%のシェアを持つが、AI分野で存在感を高めるエヌビディアもデータセンター部門の強化に乗り出した。エヌビディアは直近の四半期決算で、データセンター部門の売上を4億1600万ドルと発表。これは前年度比175%の伸びだった。
一方、インテルの7月の四半期決算でデータセンター部門の売上は44億ドル(約4900億円)と、エヌビディアの10倍以上だったが、前年度比の伸び率はわずか9%だった。これを受けてエヌビディアの株価は過去12ヶ月で3倍に高騰したが、インテルの株価は同期間で6%足らずの上昇に留まっている。
AI時代の到来を見据え、インテルは数々の企業を買収してきた。その中で最大規模となったのが2015年のアルテラの買収で、買収金額は167億ドル(約1.9兆円)だった。インテルは先月、人間の脳のように動作する“neuromorphic chip”の開発を進めていると明かしたが、まだ実験段階であり、商用化には数年を要すると述べていた。
「インテルの強みは広範囲なポートフォリオを抱えている点だ」とRaoは述べている。
一方で、エヌビディアもAI分野への注力をさらに進めている。Voltaと呼ばれる新たなグラフィックチップは「Tensor Core」と呼ばれるコアを内蔵し、ディープラーニングに特化したコンピュータパワーを高めている。