米自転車シェア「LimeBike」企業価値が250億円突破 16都市で展開 

Courtesy of LimeBike

創業から1年に満たない米国の自転車シェア企業「LimeBike」の企業価値が、2億ドルを突破した。10月16日、LimeBikeは5000万ドル(約56億円)のシリーズB資金調達を行ったと発表。Coatue Managementがリードした今回の調達には、GGVやアンドリーセンホロウィッツらも参加した。

LimeBikeのCEOを務めるトビー・サン(Toby Sun)はフォーブスの取材に、同社の企業価値が2億2500万ドル(約252億円)と算定されたと述べた。

LimeBikeの正式ローンチは今年6月の、ノースカロライナ大学グリーンズボロ校でのことだった。同社はこれまで累計で6200万ドル以上を調達している。LimeBikeはダラスやシアトル、インディアナ州のノートルダム大学やノースキャロライナ大学グリーンズボロ校のキャンパスなど16の地域で運営中だ。

ドッグレス形式で運営されるLimeBikeのサービスは、従来のレンタル自転車のように決められた場所に自転車を戻す必要がなく、アプリから自転車を探し、好きな場所で乗り捨てが可能になっている。

このような形式の自転車シェアはまず中国で勃興したが、LimeBikeは同じビジネスモデルを米国に広めようとしている。利用料金は30分が1ドルで、学生の場合は50セントで利用できる。また、月額29.95ドル(学生は14.95ドル)を支払えば、月に100回の利用が可能になる。利用回数は累計で50万件を突破し、30万人以上がサービスに登録したという。

しかし、利用が拡大するにつれ、住民から苦情が寄せられるケースも増えてきた。シアトルでは自転車が池や林の中に捨てられているケースも報告された。ただし、このような問題が起きるのはサービスの導入当初のみであり、その後は利用者の「駐輪コンプライアンス」が高まるはずだと同社は主張する。LimeBikeは将来的に、適切な駐輪を行ったユーザーにインセンティブを与える制度の導入も検討している。

LimeBikeは新たな地域でサービスを開始する場合、事前に地元の行政当局の許可を得た上で行っているという。サンはLimeBikeが、新たなライフスタイルブランドに成長することを期待している。

「会社の長期的ゴールは、都市にクリーンな交通をもたらし、スマートで健康的な暮らしを広めていくことだ。自転車の事業はその手始めとして行っている」とサンは述べた。

編集=上田裕資

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