しかし、699ユーロ(約9万2000円)で発売されるMate 10に関し、筆者が最大の魅力の一つと考えるのは、外部モニターやキーボードと接続すると、完全なデスクトップマシンとして使用できる点だ。
サムスンのGalaxy S8も同様な機能を持つが、専用ドックの「DeX Station」を約100ドル程度で追加購入する必要があり、操作性もあまり快適とは言えない。Mate 10の場合はベーシックなUSB-C to HDMIアダプターさえ用意すれば、デスクトップ機能が利用できる。
アダプターを接続しMate 10がモニターを認識すると、10秒ほどで「EMUI Desktop」と名付けられたデスクトップ画面が立ち上がる。見た目はウィンドウズPCやMacの画面とほとんど変わらない。画面左端にはクロームや写真ギャラリー等の主要なアプリが並んでおり、画面の下部にはドック的なエリアが設けられている。また、下部の右側にはバッテリーの使用状況や接続ステータスが表示される。
クロームやGmailといった主要アプリは大きなアイコンで表示され、スマホ上の操作感をそのままデスクトップで実現している。インスタグラムなどのアプリもそのまま使用できる。
Kirin 970プロセッサと6GBのRAMを装備したMate 10は、デスクトップでも快適に使用できるパワーやメモリ容量を持っている。クロームを用いたウェブの閲覧も、ほぼスムーズに行える。また、ツイッターのGIF画像やユーチューブの動画も、一般的なPCと同様に閲覧が可能だ。
さらに、追加のUSBポートを備えたアダプターを用意すれば、外部キーボードやマウスを接続しての利用もできる。Mate 10をトラックパッドとして用い、デスクトップを操作することも可能だ。
スマホをデスクトップPC的に使えるのは、外出先では非常に便利な機能と言える。しかも、かさばる専用ドックなどを必要とせず、アダプターのみでこの機能が利用できるメリットは大きい。最近は多くのホテルがHDMI端子つきのテレビを部屋に置いており、出張の多いビジネスマンにも役立つ機能といえそうだ。
Mate 10のデスクトップ機能がサムスンよりも優れているポイントは、もう一つある。外部モニターに接続中でもMate 10は電話の発着信が可能で、写真も撮れる。Galaxy S8やNote 8の場合、デスクトップ機能の利用中は、端末はロックされた状態になるのとは大きな違いだ。
複数のアプリを同時に開き、クロームで動画を視聴しても特に動作が遅くなることはなかった。筆者はMate 10のこの機能の使用レポートをユーチューブで公開中だ。興味のある方は下記のリンクからご覧いただきたい。
Huawei Mate 10 Desktop Mode In Action: Sorry, Samsung, The Dex Looks Pointless Now(https://youtu.be/VVwyB3R-R08)