ビジネス

2017.10.17 15:00

「グローバル化」で生き残りを図る、中国最大の家電メーカー

方洪波 美的集団会長兼CEO

昨年、「美的集団(マイディアグループ)」は世界で最も多く家電製品を売り上げた。その売上高は239億ドル(約2兆6700億円)、純利益は22億ドルに達する。

だが、CEOの方洪波(ポール・ファン、50)に油断はない。それどころか、「真のグローバル企業になりたい」と、追われるように改革を進めている。

「我々が進むべき方向ははっきりしています。労働集約型からイノベーション主導の企業に変わらなくてはいけません」

実際、方が抱く危機感は正しい。中国市場は成熟し、経済成長が鈍化している。一方で人件費は劇的に上がり、消費に貪欲な中間層の拡大に伴って他社との競争も激化している。中国企業には革新的で洗練された製品を作り、グローバル市場で戦うしか道はないのだ。

そこで方は、東芝ライフスタイルや、イタリアのエアコン製造会社、ドイツのロボット企業を傘下に収め、攻めの経営を貫いている。

「グローバル化は大きな潮流で、特定の個人や国には止められません。中国企業はグローバル化しますよ。この流れは変わりません」


方洪波◎中国最大の家電メーカー「美的集団」の会長兼CEO。華東師範大学で歴史学を専攻したのち、自動車関連の国営企業に就職。1992年に美的集団に移り、2012年に同社の共同創業者である何享健の引退を機に現職に就いた。反グローバル化の動きに対しては、「ものごとは長期的な視点から考えるべき」と楽観的だ。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=ヴァージル・サイモン・バートランド

この記事は 「Forbes JAPAN No.39 2017年10月号(2017/08/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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