マレーシア以外でもアジアでイスラム教徒が多い諸国はアルコールを規制している。ここでは各国のアルコール規制の状況をまとめてみた。
バングラデシュ:
人口1億6900万人のバングラデシュは、旅行者が集まるクラブ、ホテル、レストランを除きアルコールの販売を禁止している。同国は1億4000万人以上がイスラム教徒だ。
ブルネイ:
人口42万3000人のブルネイは、人口の3分の2がイスラム教徒で、世界保健機関(WHO)によると、アルコールの輸入と販売を全面禁止している。ただし、Worldatlas.comや旅行サイトによるとイスラム教徒以外は空港の税関で申告すれば、プライベートで飲むためのアルコールをボトル2本、缶ビール12缶まで持ち込むことができる。
パキスタン:
パキスタンではズルフィカール・アリー・ブットー首相時代の1970年代にアルコール販売が全面禁止された。WHOによると、店やイベントでの販売は違法で、イスラム教徒はアルコールを売ることも飲むこともできない。パキスタンでは人口のほぼ全員に近い1億9800万人がイスラム教徒だ。イスラム教徒以外は、限られた場所でアルコールを飲める。また、ホテルやライセンスを持つワインショップは非イスラム教徒向けに販売できる。
インドネシア:
人口2億6100万人のうち2億2200万人がイスラム教徒のインドネシアは、ムスリムが世界で最も多い国だ。だが、アルコールは国レベルでは禁止されておらず、ジャカルタのクラブやレストランではビールが置いてある。しかしジャカルタでも、市全体での禁止を検討しており他の地域では既に禁止しているところもある。
インドネシアの国会は昨年、アルコール販売を国として禁止することを検討したが、反対に遭った。世界的に有名なリゾート地のバリ島のホテル経営者たちは、アルコールを禁止すると観光客が来なくなることを懸念している。