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2017.10.13

「日本を動かす経営者」を表彰! JAPAN's CEO Conference 2017開催

「日本を動かす経営者ベスト100」で、2位に輝いた高原 豪久氏(ユニ・チャーム)

「最も企業価値を向上させたCEO」は誰だ

これからの日本に必要な経営者像を映し出す──フォーブス ジャパンでは、2015年以来、今年で3度目となる「CEOランキング」を発表。そのアワードセレモニーとなる「JAPAN’s CEO Conference 2017」を、10月10日パレスホテル東京にて開催した。

なぜフォーブス ジャパンは、CEOアワードを開催するのか。約300名の来場者を前にした開催の挨拶で、編集長・高野 真は次のように述べた。

「昨今、『企業価値の向上』という観点では、企業や事業そのものに注目が集める傾向にあります。しかし、我々フォーブス ジャパンは、CEOの力こそが、企業価値を高めることに最も大きく貢献すると考えています。ランキングの目的は、CEOに優劣をつけることではありません。メディアとして、企業価値を向上させたCEOを正しく評価し、その結果を皆さんにお伝えする──それこそが、このアワードの狙いです」

「インクルーシブ・キャピタリズム」が世界的なキーワードである背景を考慮し、「ESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマンス」の評価指標をより充実させることで、より的確に企業価値の向上を評価できる仕様に変更された今年度のランキング。その結果は、下記の通りである。

「社長力ランキング2017」
1位 大橋 徹二 / コマツ
2位 高原 豪久 / ユニ・チャーム
3位 河合 利樹 / 東京エレクトロン
4位 大西 朗 / 豊田自動織機
5位 有馬 浩二 / デンソー
6位 小堀 秀毅 / 旭化成
7位 稲垣 精二 / 第一生命ホールディングス
8位 伊原 保守 / アイシン精機
9位 進藤 孝生 / 新日鐵住金
10位 木股 昌俊 / クボタ

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[左から]高野 真(Forbes JAPAN 編集長)、河合 利樹氏(東京エレクトロン 代表取締役社長・CEO)、高原 豪久氏(ユニ・チャーム 代表取締役 社長執行役員)、伊原 保守氏(アイシン精機 取締役社長)、木股 昌俊氏(クボタ 代表取締役社長)

第2位に輝いたユニ・チャーム 代表取締役社長 社長執行役員・高原 豪久氏は、受賞スピーチで、自社のESGに関する考え方に言及した。

「世界80カ国で展開するユニ・チャームでは、各国の大きく異なる状況を見極め、『適切なタイミングと適切な商品を導入する』ことこそが、環境・社会・ガバナンス全てに対する、一貫したスタンスです。そうした考えに基づいた事業経営が評価され、トップ10圏外であった去年のランキングから、大きく飛躍できたことを大変嬉しく思います」

トップ10CEOが語る「人材イノベーション」の秘訣

CEOランキング表彰式に続き実施されたCEO Conferenceのトークセッションでは、トップ10にランクインした4名のCEOが登壇。「『人材イノベーション』の秘訣」をテーマに、経営者として、「成功体験の壁」「組織の壁」をいかに乗り越えてきたかを語った。

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高原 豪久氏(ユニ・チャーム 代表取締役社長 社長執行役員)

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河合 利樹氏(東京エレクトロン 代表取締役社長・CEO)

各CEOが提示した“秘訣”は次の通り。「アジア企業の成功の模倣スピードに対応する、柔軟なポートフォリオ経営の実践」(ユニ・チャーム 高原氏)、「大規模な統合解消後の、コミュニケーション密度を重視した組織作り」(東京エレクトロン 河合氏)、「自動車業界の今後を見据え、伝統の分社化経営から、一体感を重視した経営への大胆なシフト」(アイシン精機 伊原氏)、「明確な方向性を渇望する各部署に、あえて壮大な問いを考えさせる経営」(クボタ 木股氏)。セッションを通して、議論となったのは、大企業が持つ「伝統」を活かしつつ、CEOとしてどのように「革新」を起こし、企業価値を向上させていくか、という普遍的なテーマ。壇上では、各CEOが自ら行った改革に基づいた熱のこもった議論が展開された。

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伊原 保守氏(アイシン精機 取締役社長)

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木股 昌俊氏(クボタ 代表取締役社長)
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文 = フォーブスジャパン編集部 写真 = 小田駿一 寺内暁

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