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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

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会場となったパレスホテル東京2F「葵」には、約300名の来場者が訪れた。


日本発の成功事例に学ぶオープンイノベーションの本質

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高橋 誠氏(KDDI 代表取締役執行役員副社長)

本年度の「JAPAN’s CEO Conference 2017」では、受賞者によるトークセッションに加えて、スペシャルトークセッションを用意。カンファレンス全体のテーマである「融合─オープンイノベーションが拓く日本の未来─」に合わせ、まず登壇したのはKDDI 代表取締役執行役員副社長・高橋 誠氏とソラコム 代表取締役社長・玉川 憲氏だ。そこでは、今年8月に発表されたKDDIによるソラコムの大型買収の舞台裏と未来の戦略が大いに語られた。

「大企業とスタートアップの統合がうまくいかない最大の理由は、大企業側がすぐにシナジーを求めてしまうことにあると思います。実は、一緒にやることにした人を『応援』することの方が、シナジーへの近道なんです」(KDDI 高橋氏)

この高橋の言葉通り、買収後もKDDIは一貫して、ソラコムの独立した運営をサポート。ソラコムは従来のサービス・会社名・組織文化を維持したまま、大手キャリア・KDDIが持つ次世代ネットワーク基盤技術を利用した研究開発を行うことのできるメリットを享受している。

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玉川 憲氏(ソラコム 代表取締役社長)

「グループ入り後も、変えてはいけないと思っているのはイノベーションのスピード。スタートアップの強みを維持しながら、新しいサービスを次々と生み出すことで、グループ入りが『成功』であったと、証明するつもりです」(ソラコム 玉川氏)

時折冗談を飛ばしながら、「大企業の経営幹部」と「スタートアップCEO」がお互いの印象や今後の展望を率直に語り合うその光景が、買収後の関係性の良好さを示す、印象的なセッションであった。

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伊藤 慎介氏(rimOnO 代表取締役社長)

さらに、先行する大企業とスタートアップのオープンイノベーションの“好例”として、登壇したのが三井化学常務執行役員兼研究開発本部長・福田伸氏と、日本発の布製超小型電気自動車を開発するスタートアップ・rimOnO代表取締役の伊藤 慎介氏。両社は2015年から、三井化学が量産型自動車では利用されたことのない素材を提案・提供する形で、市販化に向けた共同開発を進めている。

「提携前、創業時にオフィスを構えていた家賃4万円の小さなインキュベーションオフィスへと、研究者の方がたくさんのサンプルが詰められた紙袋を持って来てくださいました。それだけでも十分驚きましたが、1か月後には、当時の常務執行役員さんもいらっしゃった。本当にスタートアップと連携して面白いことをやりたいという本気度を感じたからこそ、共同でプロジェクトを進めたいと強く思ったわけです」(rimOnO 伊藤氏)

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福田 伸氏(三井化学 常務執行役員・研究開発本部長)

「フラットな関係性」が、オープンイノベーションが成功する秘訣であると思わせる象徴的なエピソードから始まったこのセッション。さらに 、三井化学・福田氏からは、rimOnOとの連携による組織が変貌した様が語られた。

「『日本発の布製超小型電気自動車を作る』という野心的なミッションを掲げたrimOnOの存在が、我が社の技術者たちに火をつけ、その熱は、社内の他の部門にも伝搬しました。結果、経営側から『横断的に動け』と指示するまでもなく、技術者・非技術者が横のネットワークを駆使して、主体的にプロジェクトが進んでいく様は、本当に痛快でした」

シリコンバレーから日本は学べるか

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近藤正晃ジェームス氏(シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム共同議長)

「JAPAN’s CEO Conference 2017」では、日本のフロントランナーたちから学びのみならず、シリコンバレーの最先端の知見も、来場者へと共有。まず、MITやオーリン工科大の教授を歴任し、現在、トヨタ・リサーチ・インスティテュートCEOを務めるギル・プラット氏からは、日本の経営者に向けたビデオメッセージが届いた。そして、日本とシリコンバレーを股にかけて活躍する、シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム(SVJP)共同議長の近藤正晃ジェームス氏とホンダR&DイノベーションズCEO・杉本 直樹氏によるセッションも実施された。

日本の大企業では、駐在員がシリコンバレーで新しい技術を見つけても、それを実際に採用することができない──そんな問題意識から、セッションはスタート。シリコンバレーの拠点を、技術を持つベンチャーに投資するCVCから、連携をすることで実際に製品を作り出す組織へと変革を遂げたホンダのケースを糸口に、グーグルの「Android Auto」、アップルの「CarPlay」との協業を実現した実績を持つ杉本氏から、大企業がシリコンバレーと築くべき「関係性」が語られた。

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杉本 直樹氏(ホンダR&Dイノベーションズ CEO)

「シリコンバレーの駐在員を活用して、本当にイノベーションを起こしたいなら、重要なのは『本社との適切な距離感』。駐在員は、本社ありきで考えない。そして本社は、ベンチャーと大企業が全く異なる視点で動いていることを理解する。そして、全く新しいアイデアを、大きな産業へと繋げるチャレンジを、ある程度許容できるかが、勝負の分かれ目です」(ホンダR&Dイノベーションズ・杉本氏)

以上のような4つのトークセッションを含む充実の内容で、計3時間にわたって開催された「JAPAN’s CEO Conference 2017」。トークセッション終了後は、招待された約300人の来場者たちによる懇談会食を経て、幕を閉じた。

文 = フォーブスジャパン編集部 写真 = 小田駿一 寺内暁

 

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