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とはいえ、ビッグデータを利活用していくことは、企業のビジネスを成功に導く上で不可欠とさえ言われ始めている。ビッグデータとAIから生み出されるさまざまな知見は、企業の競争力の源泉となる。逆に利活用を進められない企業は、ライバルたちに大きくリードを許してしまうことになるはずだ。加えて、海外ではビックデータ販売をビジネスの主軸におこうとする企業の動きがある。つまり、ビッグデータそのものを「メイン商材」にしようというものだ。

データ販売事業に転身する世界の企業たち

2017年7月、米iRobotがビッグデータの販売に言及してちょっとした騒動になった。掃除ロボット「ルンバ」で収集した情報を、外部に販売していく計画について示唆したのだ。ルンバが収集したビッグデータとは、部屋の大きさ、インテリア間の距離など物理空間に関するもの。ロイター通信はこれについて、「自動掃除機に過ぎないルンバがデータ収集の最先端機器に大化けするかもしれない」と解説・予想している。

iRobotは今後、数年以内にアマゾン、アップル、グーグルのうち1社以上と、マッピング情報の売却で合意に達する可能性があるとも示唆されている。ハードウェアを開発・販売する企業だったiRobotが、今後はデータ販売企業としての一面も持ち始めるということになりそうだ。

実はiRobotのようなデータ販売の動きは、世界では珍しいものではない。3年前の段階で、米マスターカードもビッグデータ販売の潜在力について言及している。同社はクレジットカードの利用履歴から読み取れる顧客の消費パターンを、小売業者、銀行、政府などに販売。その売り上げ額が急激に増加していると当時、明らかにしていた。詳細は定かではないが、データを販売する際には「匿名化」を施しているというのが同社側の説明だった。

日本では、楽天と電通が8月に入って合弁会社「楽天データマーケティング株式会社」を設立している。同社はビッグデータを利用した販促サービスを提供していく予定だ。また8月上旬には、三井住友フィナンシャルグループとヤフーが顧客のデータ分析で提携。金融商品の提案・開発を行っていく旨を明かしている。2017年は、名実ともに日本の「ビッグデータ元年」となるのか。各企業のダイナミックな動きに期待したい。

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文=河鐘基

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