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レシピ開発&味覚分析を担うAIも登場

飲食店におけるAIの用途は、集客のほかに「レシピ開発」もある。期間限定でオープンし、2016年11月30日に閉店した「エスプリ・ド・エスプリ」は、日本で初めてAIでレシピを考案するクレープ店としてメディアに大きく取り上げられた。同店のレシピは、ITベンチャー・アソビエと共同開発されたAI「esprit」によって生み出されたもので、事前の試食調査では86%の人が「今まで食べたクレープの中で一番美味しい」と回答したという。

「ワトソン」を開発するIBMも、レシピ開発AIを一部公開している。その名も「シェフ・ワトソン」だ。これは、キーワードとなる食材や調理法などを入力すると、大量のレシピを分析・組み合わせ、オリジナルレシピを推奨してくれるというものだ。

人間には到底真似することができない試行錯誤、大量のデータから一定の可能性を示す作業は人工知能の得意とするところ。人間のシェフが持つ優れた味覚に、AIの「シミュレーション力」が加われば、これまで誰も考えてこなかったような新たな料理が生まれる可能性も開けてくる。

飲食×AIでは、さらに興味深い利用例も日本にある。AIで「味覚」を分析し商品開発に活かそうというものだ。2017年7月、味覚センサーを開発するAISSYはAI搭載型味覚分析システム「味覚センサーレオ」を使用して、飲食店の商品開発を支援するサービスを提供開始した。これまで「味覚=料理の味」は人それぞれの嗜好、もしくは優れた料理人の経験や勘、舌によって担保されるという先入観があったが、同サービスではそれを数値として「視覚化=見える化」することを目指す。

同サービスのように、誰もが美味しいと感じる味を科学的に探し出すサービスは、飲食業界でそう遠くない時期に市民権を得ていくはずだ。

とはいえ、飲食店には味や使いやすさだけでは計れない人気の秘訣も存在する。店内外の雰囲気、ホスピタリティ、食卓を囲む知人または他人とのコミュニケーションなどがそれだ。AIがそれらの未知の要素をどこまで数値化し、飲食業界を支援できるか。今後の技術革新の動向とともに、興味の尽きない話題ではないだろうか。

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文=河鐘基

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