自分を縛り付ける幼少期からの思い込みを捨てるには

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2008年の実験社会心理学ジャーナル(Journal of Experimental Social Psychology)に論文が掲載された研究では、被験者にある人物の知能テストの採点を依頼した。対象人物の回答は、得点が93点または36点となるよう操作されていた。

採点終了後、研究チームは被験者に対し、手違いにより間違った解答集を渡してしまったため、点数は不正確だと告げた。また、正しい解答集で採点し直すことは無理だとも告げた。

チームはその後、テストを受けた人物の知能レベルを推測するよう被験者に依頼。するとその推測結果は、知能テストの成績と一致した。最初に知能テスト対象者の点数が平均以上だと信じ込まされた被験者は、対象者は賢い人物だと思い続けていた。

被験者は、採点結果が間違っていると言われたにもかかわらず、自分が当初信じ込んだ印象を変えることができなかったのだ。

これが、第一印象が大切と言われる理由だ。こういう人物だといったん判断されてしまうと、その思い込みを変えることは難しい。

そして私たちは、同じことを自分自身に対しても行っている。自分にとっての真実を根底から覆すのは難しいため、一度持った信念は、それがたとえ自分にとって有益でないとしても、信じ続けてしまう。

思い込みにとらわれていないか?

あなたはこれまで色々な情報源から、自分はどんな人物なのかを学んできた。試験の成績、教師や両親の言葉、仲間同士の関係──そんな中で、自分を縛り付けるような間違った自己イメージを育んできた可能性は大いにある。

どんな思い込みが自分の潜在力を制限してしまっているか、考えてみるとよいだろう。あなたは自分が思うより賢く、能力にあふれ、強い人間かもしれない。

しかし、自分の思い込みを変えられるようになるためにはまず、これまでずっと信じてきたことが100%正しくはないかもしれないという可能性を受け入れる必要がある。

編集=遠藤宗生

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