10月9日、同社の最大の競合であるJD.com(京東商城)が「トップライフ」と呼ばれる競合サービスの立ち上げを発表したのを受けて、Secooの株価は10.6%の下落となった。9月22日にIPOを果たしたSecoo株には当初、13ドルの値がつき1億1000万ドル(約123億円)を調達したが、現在の株価は8ドルまで下落し、時価総額の38%を失ったことになる。SecooにはIDGキャピタルや中国平安保険らが資金を注いでいる。
競合のJDはトップライフで中国の富裕層らが国際的な高級ブランドの旗艦店から、ダイレクトにショッピングを行える場を提供している。JDの創業者でビリオネアのリチャード・リウは声明で「トップライフは高級店の実店舗での買い物がそのままネット上で行える、プレミアムなEコマース体験が可能な場だ」と述べている。
かつては主に家電製品を扱っていたJDはここ最近、高級ブランドのEコマースへの注力を開始している。今年に入り同社は、世界的ファッションEコマースサイトの「Farfetch」の株式を3億9700万ドル(446億円)で取得した。Farfetchの出資元にはIDGキャピタルや、シンガポールのテマセク、さらにはコンデナストらがいる。
JDはここ2年でニューヨークやミラノ、ロンドンや北京、上海でファッションショーを主催し、新部門のJDファッションも設立している。今年に入り、JDファッションはアルマーニやスワロフスキー、ゼニスといった国際的ブランドのEコマース販売を開始した。
2004年にネットオークションを始めたJDは2014年に米ナスダックに上場を果たした。JDは中国のEコマースでアリババに次いで2位だが、収益面では苦戦が続いており2017年の第1四半期決算で、ようやく上場後初となる黒字を計上したばかりだ。JDの株価は現在、40ドル付近で推移している。