Close

PICK UP

I write about the 1% who sit on top of the world.

ティルマン・ファーティタ(Photo by Michael Boardman / Getty Images)

米テキサス州ヒューストンの実業家、ティルマン・ファーティタが米プロバスケットボール(NBA)の「ヒューストン・ロケッツ」を22億ドル(約2400億円)で買収したことが10月6日、正式に発表された。

今回の買収額はマイクロソフトの前CEOのスティーブ・バルマーが2014年にロサンゼルス・クリッパーズを買収した際の20億ドルを上回り、NBA史上最高額を更新した。

22億ドルという金額は、ロケッツのEBITDA利益の35倍に相当する額だが、ファーティタはそんな計算には関心がないと言い放つ。「チームの価値が利益の何倍かなんて考えるのはバカらしい。チームを持つこと自体に値打ちがあるのだ」とファーティタは言う。

ロケッツの買収にあたってはライバルもいたが、ファーティタはその大胆な姿勢で前オーナーのレスリー・アレキサンダーからチームを譲り受けた。「他の連中は金の計算をして、できるだけ少ない額で買い取ろうとしていた。そこに私が出てきて、さっさとカタをつけたという訳だ」

ラスベガスのカジノ「ゴールデンナゲット」のオーナーであるファーティタは、映画「フォレスト・ガンプ」をテーマとしたレストラン「ババ・ガンプ・シュリンプ」等を運営するランドリーズの経営者としても有名だ。彼はヒューストンを愛しており、地元のバスケットボールチームを応援してきた。

彼は1993年にもロケッツを買収しようとしたが、その際にはアレキサンダーに敗れた形だった。現在60歳のファーティタは、その後も様々なチームの買収にトライし、ようやく夢がかなったと述べている。

前オーナーのアレキサンダーは今年7月に突然、チームを売却する意思を表明した。その話を聞きつけたファーティタはすぐさま交渉に乗り出し、22億ドルという金額をぶつけたところ、その場でディールが成立したという。

ファーティタの資産総額は35億ドル(約4000億円)と試算されており、すぐにキャッシュで支払える訳ではなかった。実のところ、彼は莫大な借金をしてロケッツを買収したのだ。2億7500万ドルはアレキサンダーから借り入れたほか、自身が経営する企業から14億ドル相当の債権を発行し、6.75%から8.75%の利子を支払うことにした。ただし、高いレバレッジを効かせて、債権は既に償却済みだという。「資金の調達は、それほど難しいことではなかった」と彼は言う。

「膝つき抗議」は止めさせたい

ファーティタは投資の回収については気にしていないという。「これは5年や10年で取り戻そうという金額ではない。世代を超えて家族に受け継がれる資産として、チームを手に入れたのだ」

ただし、短期的な目標としては、他の事業とのシナジーも見込み、ブランディングのコストを抑えるつもりだという。「私は5つのカジノと600軒のレストランやホテル、アミューズメント施設を経営している。ロケッツを取得したことで、新たなプロモーションの手段が生まれることになる」

ファーティタは今後のチーム運営についてまだ具体的なプランを明かしていない。しかし、NBAの選手らが黒人差別に抗議し、国歌の斉唱の際に膝をつく行動については、これを止めさせたい考えだ。「NBAにはルールがある。ヒューストン・ロケッツの選手たちも、そのルールに従うべきだ」とファーティタは述べた。

編集=上田裕資

記事が気に入ったら
いいね!しよう

LIKE @Forbesjapan

Forbesjapanを
フォローしよう

FOLLOW @Forbesjapan

あなたにおすすめ

合わせて読みたい