かつては音楽イベントに協賛するだけでブランドのPRにつながった時代もあったが、その手の方法はもはや古い。若い世代にアピールするためには彼らのニーズを考えることが重要だ。
ニールセンは先日、「U.S. MUSIC360」と題したレポートを発表し、米国の若い世代の音楽の消費動向を明らかにした。それによるとフェスティバルに参加する人々の49%が、企業から無料でグッズ等を提供された場合、そのブランドに対する好感度は高まると答えた。
ここでいうグッズとはTシャツやサングラス等の品物で、決して高価なアイテムではない。しかし、音楽フェスに参加する若者たちは節約志向が強く、企業から無料の商品提供を受けることを、PR担当者が想像する以上に喜ばしく思っている。
レポートではさらに、47%の参加者がフェスティバル会場で役に立つアイテムを貰った場合、企業の好感度があがると回答した。そのアイテムとはミネラルウォーターや日焼け止めクリームだという。また、46%は無料の音楽サービス(ストリーミング等)へのアクセスを歓迎している。さらに、44%はエアコンの効いた特設テントが好ましいと述べた。
フェスティバル参加者の心に長く残る、マーケティングを行う場合2点が重要だ。まず言えるのは、無料のギフトを贈ることだ。次に大事なのは、何らかのかたちで実用性のあるアイテムを選ぶことだ。フェスティバル体験をより楽しくする、実用性のあるものをあげない限り、せっかくのギフトも即座にゴミ箱に捨てられてしまう。
音楽フェスで企業のブランディングを成功させるためには、それにふさわしい予算とアイデアが必要だ。フェスの参加者たちのニーズをよく考えずにマーケティングを行うことは企業のリソースを無駄に消費し、さらにはブランドイメージを毀損してしまうことにつながる。