「いいね!」されたい欲求から始まる、SNS時代の生きがい探し

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例えば、2016年秋に話題となったこの画像を見てみましょう。

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Credit: Barbara Kinney/Victor Ng/Twitter

ヒラリー・クリントンは、昨年11月の大統領選に敗れたとはいえ、当時アメリカでは二番目に偉いといっても過言ではない人です。その彼女が目の前にいるにも関わらず、みんな彼女を見てない。なぜかというと、目の前にいるヒラリー氏よりも、「ヒラリーといる私」(って意識高いでしょ)ということをソーシャル空間に投じるために、彼女とのセルフィーを撮影しているからです。
 
これは、「イケてる友達とBBQしてる私」から「意識高い私」へと、「いいね!」されたい軸がシフトしている象徴として見ることができます。この画像は時代を象徴する一枚としてバズったわけですが、政治関係者側からすれば、そういう形でもいいから、若い人が政治や経済に目を向けてくれたらという思いでしょう。

自分だけのいいね!=生きがいかもしれない?
 
では、どんな「いいね!」をもらえるように意識すれば、「自分だけのいいね!」に巡り会えるのか。ここで重要なのは、「自分だけのいいね!」が持続可能であること。例えば、エベレストの山頂からスカイダイビングをするというようなエクストリームな動画や画像は、瞬間的に「いいね!」を集めやすいけれど、なかなか持続的にはできません。

持続的に「いいね!」がもらえる自分だけの価値は何か? あなたが続けている投稿だけが持つ意味合いはなにか? ということに向き合ってみるのもいいと思うのです。SNS上ではすでに、手のひらでできる“生きがい”探しの旅が始まっています。
 
「いいね!」を求める人を、「あいつ、いいね孤食だな」なんて冷ややかな目でみることはないし、そう見られることを恐れる必要もない。まずは手前にある「いいね!」されたい欲求をしっかり満たしてあげて、自ずと始まる「自分だけのいいね!が欲しい」という次の欲求へ、身を投じてみてみてはどうでしょうか?

文=尾原和啓

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