100名以下のスタートアップが無視すべき「企業文化」という言葉

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野心的なスタートアップはスピードを追求する。人を雇うスピードも製品を作るスピードも速い。そして、従業員がほんの数人しかいないのに企業カルチャーをいち早く体系化したいと思ってしまう。

だが、他社からも評価される企業カルチャーを作り上げたいなら焦らない方が良い。従業員が100人ほどになるまで待つべきだと言うのは、グーグルで長年活躍し2012年に共同創業した求人ソフトウェア企業「Lever」のCEOを務めるSarah Nahmだ。

Nahmがサンフランシスコで行われた「カルチャー・サミット」で語ったところによると、初期段階のスタートアップは大抵最初の商品を作り上げることに注力しており、エンジニアリングこそ最重要事項で市場開拓戦略は定まっていない状況にある。営業チームもまだ雇っておらず、結果的に企業文化を本格的には確立できない。

Leverは従業員数が100人に達するまで企業カルチャーの主要な要素を明文化しなかったが、それまで待ったことが大いに役立ったとNahmはいう。企業が成熟したことによって目標がはっきりしただけでなく、企業文化をゆっくりと形成している間に大胆で想像力に富んだ人材を獲得することができたというのだ。

ECプラットフォーム「Shopify」で企業文化と人材開発を担当するKonval Matinも、企業文化というものはトップダウンで生まれるものではなく、一人一人の従業員が生み出していくものだと指摘する。

また、企業カルチャーは時代に応じて変化することも知っておくべきだ。LeveのNahmは、「採用の現場でその人物が企業文化と合致するかどうかを推し量る、視野の狭い見方はやめるべきだ」と述べている。それよりも大事なのは、その人材が企業にどんな新しい流れを起こせるかを考えることだという。この考え方によって、企業は時代から取り残されることなく、新しいカルチャーを生み出していける。

編集=上田裕資

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