「数字」に執着する男 トランプ大統領独占インタビュー

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米政権トップの座を引き継ぐということは、ゼネラル・エレクトリックやマイクロソフトのような企業を引き継ぐことと似ている。その企業/国家が以前に交わした約束を可能な限り遵守しつつ、新たな優先事項に軸足を移すことが求められる。

だがトランプはそうした考えを持っていない。前政権の政策が「悪い取引」ならば、それを守るべき理由などどこにもない。たとえ米国の評判を犠牲にしてもだ。

例えば、オバマケアについてトランプは「オバマの過失だ。他の誰のものでもない」と断言する。だが今となっては自身の政権の責任なのでは、と問われると「そうだ。だが、私は常に、オバマケアはオバマの過失だと言ってきた。われわれの過失には決してならない」と語った。

同じアプローチは、外交政策にも当てはまる。それはイランとの核合意だろうと、気候変動に関するパリ協定だろうと同じこと。特に自由貿易協定となれば、なおさらだ。だがトランプは、歴代政権が交わした合意を順守する責任を感じていないのだろうか? トランプ大統領は迷わず「ノー」と答えた。

トランプは過去に、上司を持ったことは一度もない。それが今は、3億3000万人の米国民全員がいわば彼の上司となっていることをどう思っているのだろうか? トランプはこの事実を認めつつも、これ以上にないほど彼らしい方法でこう返答した。「関係ない。私は正しいことをするのだから」

翻訳・編集=遠藤宗生

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