保険会社との提携も計画
米国発の「Roomster」や英国発の「SpareRoom」といった他の著名なルームシェアのためのアプリが物件を前面に出しているのに対し、「ティンダーのルームメイト版」として開発された「Whoomies」は、人同士のマッチングを重視する。ユーザーはライフスタイルの他に、年齢や学校によって相手を絞り込むことも可能だ。
テック業界の経験を持たないダネイとアッサルは、アプリの制作にあたり、パスワード管理アプリ「oneSafe」を開発したLunabee Studioと提携。資金面では、ダネイの知人のエンジェル投資家から30万ユーロ(約4000万円)、フランス政府から3万ユーロ(約400万円)の出資を受け、ダネイとアッサル自身も5万5000ユーロ(約730万円)を準備した。
2017年1月のローンチ時、ダネイはプライベートバンクの仕事も続けていた。昼間の仕事と立ち上げの準備を並行していた時期について、「非常にハードでした。念入りに準備をすればするほど、新しい課題が見つかりました」と、ダネイは振り返る。
「Whoomies」の次の目標は、フランスとイギリスの市場を制覇することだ。「ロンドンのルームシェア用賃貸物件市場はヨーロッパ最大の規模を持ち、フランスのそれよりもはるかに成熟しています。両方の市場が理解できるようになれば、他の市場にもより速く効果的に進出できるはずです」
運用地域の拡大に加えて、アプリ内サービスの拡大も計画している。今後のプランには、ルームメイトや家主との間で家賃の管理を効率化するサービスや、家事代行会社、運送会社、保険会社との提携による割引サービスなどが含まれる。
また、ルームシェアを行う層の大半が学生であることから、現在は学生をメインターゲットにしている「Whoomies」だが、ダネイは「すべての人のためのアプリです」と言う。「年齢を問わず、最高のルームシェア体験をお手伝いするのが私たちです」