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「資本」ではなく「思想」で提携する

プロジェクト発起人から、次は出資者としてクラウドファンディング事業への本格的なコミットを宣言した市川。Makuakeにかける期待を次のように語った。

「僕がやってきた歌舞伎は、いわばこれまで文化を『作ってきた』。だけどMakuakeはこれからの文化を『作っていく』。例えば、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨はまだ一般的な通貨ほどではないが、すごい勢いで浸透してきていますよね。新たな文化が生まれるスパンがどんどん短くなっている。日本人はもっと、短期間で文化を作ることに意欲的になってもいいと思うんです」

8月にマクアケへの出資を宣言した本田や、「傾奇者プロジェクト」として江戸ガラス製のグラスをプロデュースする山田孝之など、同様の期待を寄せる芸能人は少なくない。

しかし、なぜMakuakeなのか。資金も人脈も潤沢な著名人なら、支援を募らずともこだわりを込めた文化を発信できるだろう。市川は、Makuakeにかける希望を次のように語った。

「最大の魅力は、『みんなで作る』ことにあります。資金を集めるだけなら他にもやり方はあるけど、クラウドファンディングなら『資金』のレベルを超えて『思想』で提携できるんです。そもそも、日本の原動力は昔からトップ主導ではなく、助け合いだったはず。そんな日本でクラウドファンディングが始まったのは、1つの希望だと思っています」

資金でつながる資本主義から、思想でつながる時代へ。プロジェクトの立ち上げにも関心を持ち、例えば、新たな形の和傘を作ってみたいのだという。

「今日も雨が降っていたので僕は和傘をさしてここまで来たんですが、明治初期にはたくさんいた和傘をさす人や着物を身につける人は、凄まじい勢いでいなくなっています。一方でゼロにはなっていないのだから、根強い需要もあるはずだと思っている。衰退している原因は端的にいえば、和傘が日常品じゃないからではないでしょうか」

公演でシンガポールやパリ、ロンドンを訪れた市川は、雨の日にも傘をささない人々の姿を目にする。そこで市川は日常品としての和傘を世界に浸透させようと画策。体中から24本の傘を出す『三升曲輪傘売(みますくるわのかさうり)』という歌舞伎を上演した他、現在は和傘を更に日常品に落とし込むべく折り畳みの和傘を作ろうとチャレンジをしているそうだ。

「シンガポールに和傘を持っていって、『スコールが降ったら和傘をさせばいいでしょ?』と劇場で販売もしましたね。実は和傘ってスーツにも合うし、パリやロンドンの原色多めの服にも映えるんですよ。そういうファッショナブルな形で文化を再生したいんです」

 

「Makuakeでやってみたいことは、それこそ大中小といろんなスケールでたくさんあります」と楽しげに語る市川。事業参加を筆頭に、今後、様々なプロジェクトに取り組んでいくという。

文=野口直希 写真=小田駿一

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