マネー

2017.10.09 11:30

パリス・ヒルトンも参入の「仮想通貨ICO」の熱狂と今後の行方


5日間で200億円以上を調達

フォーブスが9月に香港で開催した「グローバルCEOカンファレンス」に登壇したBlumerは、次のように説明した。「インターネットがマス向けの、スケーラブルだが安全でないデータ転送方法だとしたら、ブロックチェーンはマス向けの安全なデータ転送方法だ」

EOSは独自のブロックチェーンを持っているが、Block.OneのICOはイーサリアム上で実施されている。Block.One は6月にICOを開始後、わずか5日間で1億8500万ドル(約208億円)を調達し、競合のBancorが打ち立てた1億5000万ドルのICO記録を塗り替えた。

Block.OneのICOは、2018年6月まで314日間続く予定で、それまでの期間であればいつでもEOSトークンを購入することができる。通常、クラウドセールの実施期間は1週間から1ヶ月程度で、Block.OneのICOは異例の長さになる。

「EOSトークンが適正な価格に落ち着くためには、1年間が妥当な期間だと判断した」とBlumerは述べている。BancorのICOでは投資家が殺到してネットワークが混雑したが、クラウドセールの期間が長いとこうした事態を避けることもできる。

しかし、セレブらがICO支持を表明するなかで、J.P.モルガンのジェームズ・ダイモン会長兼CEOは「ビットコインは詐欺だ」とコメントし、一時ビットコインの価格は24%下落した。しかし、その数日後にJ.P.モルガンがビットコインの価格に連動するETNであるBitcoin XBTに投資していることが明らかになった。

それでも、Blumerはダイモンの言動に理解を示す。「ダイモンは、自分のビジネスが絶滅の危機に瀕しているためにあのような発言をしたのだろう。今後、より多くの銀行が仮想通貨を脅威と感じ、批判的なスタンスを取るだろう」と彼は言う。

中国政府は9月にICOを全面的に禁止し、中国における仮想通貨を使った資金調達ができなくなった。今後、多くの国がICOの禁止に踏み切るとの憶測が広まっているが、Blumerは意に介さない。
「ICOの規制によって消費者保護が強化され、結果としてICOが一層普及することを期待したい」とBlumerは話す。

編集=上田裕資

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