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2017.10.09

パリス・ヒルトンも参入の「仮想通貨ICO」の熱狂と今後の行方

r.classen / shutterstock.com

ハリウッドのセレブたちが、これまで無縁だと思われてきたブロックチェーンに相次いで参入し、大きな話題となっている。このほど、パリス・ヒルトンとフロイド・メイウェザーは、各自が支援するプロジェクトのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の宣伝をSNS上で行った。

ICOはスタートアップにとってVCや銀行に代わる新たな資金調達の手法だ。企業は「トークン」と呼ばれる仮想通貨を発行し、投資家は現金や仮想通貨を使ってそれを購入する。プロジェクトが成功すればトークンの価値が高騰し、投資家は大きなリターンを得ることができる。ICOでは、ビットコインかイーサリアムで資金調達をするケースが一般的だ。

ICOの魅力は、その高いリターンにある。多くのセレブらが一攫千金を夢見てICOに参加し始めている。パリス・ヒルトンは、「LydianCoin」というブロックチェーンを活用したデジタルマーケティングを手掛けるスタートアップを支援している。一方、メイウェザーはオープンソースの予測市場プラットフォーム、「Stox」のICOをインスタグラムで宣伝した。Stoxは8月にICOを開始し、3000万ドルを調達している。Stoxはファイナンスから政治まで、様々なイベントの結果を予測することができるという。

ブロックチェーンとは分散型の公開台帳だ。参加者全員の同意がない限りデータを変更することができないため、中央機関なしでもデータが改ざんされず、非常にセキュアな状態を維持することができる。このような分散型台帳は利点が多い。例えば、過去からの記録の正確性を担保することができるため、監査や訴訟のコストを削減することができると同時に、参加者間の信頼性を向上することができる。

ブロックチェーンがもたらすメリットについて、Brendan Blumerほど熟知している人物はいないだろう。Blumerは、ケイマン諸島に本拠を置く「Block.One」の創業者だ。同社は、企業のオペレーション効率化を支援するブロックチェーンプラットフォーム「EOS」を運営しており、独自の仮想通貨EOSトークンを発行している。EOSは、ブロックチェーンプラットフォームの中で唯一並行処理を採用しており、継続的なスケーラビリティを実現した。
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編集=上田裕資

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