AIスピーカー市場は「アマゾンの圧勝」 ガートナーが予測

アマゾンエコー(Photo by T3 Magazine / gettyimages)


BMWにもアレクサを投入へ

イベントでは、アレクサをBMWに搭載する計画も合わせて発表された。まずは、BMW傘下のミニに搭載され、2018年中頃に実現する予定だという。

アマゾンの圧倒的な拡大戦略は、グーグルやアップルらの追随を困難にするだろう。グーグルは130ドルのスマートスピーカー、「グーグルホーム(Google Home)」を普及させようとしている。また、グーグルは、「グーグルアシスタント」のSDKを公開してサードパーティ製デバイスへの搭載を可能にしたが、アマゾンのアレクサに大きく後れを取っている。

アップルも「ホームポッド(HomePod)」を発表したが、350ドルという高額な価格が障害となり、広く普及させるのは難しいだろう。

しかし、アップルとグーグルには、アマゾンにはない強力な武器がまだ残っている。それは、スマートフォンだ。iOSとAndroidのエコシステムは既に多くのユーザーを囲い込んでおり、音声アシスタントを端末に搭載すれば、多くの家庭にリーチすることができる。

一方、アマゾンにとって幸運なのは、エコーのような音声アシスタント専用のデバイスに対する需要が急増しており、スマートフォンを製造していないことが必ずしも不利に働かないことだ。

「アマゾンには先行者利益がある上、幅広い製品ポートフォリオを揃えたことで、グーグルなどの競合が追随することが非常に困難になった。アップルは参入時期が遅かったことに加え、価格を350ドルに設定したことで、さらに厳しい状況に置かれている。私は、アップルが今後一層アマゾンに引き離されると予測している」とGoertzは話した。



編集=上田裕資

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