しかし、現在の枠組みの中で発想しているだけでは、社会をひっくり返すことはできない。真のイノベーションを生み出せるのは、アニマルスピリッツをもった者である。情熱に燃える日本人のドラマを紹介しよう。
人類初の事業に挑む「宇宙のそうじ屋」 岡田 光信
『宇宙の掃除屋』と聞いて、そのビジネスモデルを容易に想像できる人がいるだろうか。岡田光信はそんな人類初の事業に取り組もうとしている。現在各国の民間企業が宇宙旅行提供に向けて凌ぎを削る中、彼が目をつけたのは地上の宇宙覇権競争により誕生してしまった無重力空間に散らばる無数の「ゴミ」だった。国境を越えた熾烈な争いに飛び込む度胸と独自の視点のマネタイズにより、世界が注目する「ASTROSCALE」は日本をどこへ導くのか。必読のニューリーダー台頭ストーリー。
人の手をコンピューターで自在に動かす 玉城 絵美
もしベルトをつけるだけで、自分の手が今まで一度も触れたことのない琴を弾いているのを「目撃」したら。そんな未来の世界を現実のものにした人物がいる。Happy Hacking Lifeを共同創業した玉城絵美だ。人間をコンピュータープログラムの3次元の出力先にするという新たな技術を現実のものにした彼女の原体験とはなんだったのか。創業を支えた有名エンジェル投資家の心を惹き付けたものとは。電子頭脳と人間の友好的な共存で世界のオーディエンスをどよめかせたPossessedHandが創りだす未来の姿がここに。
石巻からの福音「介護からの卒業」 橋本 大吾
超高齢化社会に揺れる長寿大国日本。そんな中で、介護の真のあり方について考え抜き行動を起こした男がいる。介護老人を社会復帰させるという壮大なイノベーションを仕掛けているのは、理学療法士の橋本大吾だ。東北の被災者支援のため行政からの依頼を受け石巻に移り住んだ橋本は、独自の視点とスピード感で周囲を巻き込み先導しながら加速度的にその知名度をあげた。介護を必要とする人々の住む家の問題から介護保険の問題点まで注意深く観察し、高齢者自身の「介護からの卒業」を目指すイノベーターはいかにして我が国の難題を攻略するのか。全国民が避けて通れない道を明るく照らしだす若手起業家の物語。